自由に意見言える職場に 尾鷲市副市長・下村氏 市職員から18年ぶり登用

【下村新吾尾鷲市副市長】

三重県の尾鷲市副市長に4月1日付で就任した。市職員から副市長への登用は18年ぶり。「職員が自由闊達(かったつ)に意見が言え、働きやすい職場づくりに努めることが、結果的に尾鷲市や市民のためになる」と抱負を語る。

尾鷲高校を卒業後、昭和57年に尾鷲隔離病舎組合職員となり、福祉保健課長、総務課長などを務めてきた。先輩職員にかわいがってもらったといい、「分からないことは分からないと素直に言うと、丁寧に教えてくれた。先輩から聞いた失敗談や経験が一番身になっている」と振り返る。

尾鷲隔離病舎組合では保健衛生の仕事をしていた。尾鷲高の近くへ動物の死体を回収しに行った時、「当時僕は19歳で、後輩に見られて恥ずかしい気持ちになった」と言う。一緒に仕事をしていた先輩職員から「(当時の人口の)3万市民のためなら何でもできる」と言われたことが心に残っている。

1月末、加藤千速市長から副市長就任を打診された。加藤市長に「若い職員らを守るのがあなたの責任ではないか」と言われ、3月初旬、就任を決めたという。「やる気のある職員の後押しをしていきたい。ミスを恐れず取り組んでほしい。フォローもする」と述べる。

尾鷲高では野球に打ち込み、同高野球部OB会長を長く務める。プロ野球は巨人ファン。座右の銘は「得意淡然、失意泰然」で、その意味について「仕事も人生も必ず波がある。不満があってもくよくよせず、淡々と仕事をすべき。見ている人は見てくれているから」。