老舗映画館再開へ 「伊勢新富座」 ファンの励ましに支えられ 三重

【営業再開に向け準備を進めてきた水野代表=伊勢市曽祢の進富座で】

【伊勢】新型コロナウイルス感染拡大の影響で4月から休業してきた三重県伊勢市曽祢の老舗映画館「伊勢進富座(しんとみざ)」が、30日に営業を再開する。当面は入場を県内在住の会員や常連客に限定し、上映回数を減らして営業。水野昌光代表(61)は「映画館という空間を大切に思ってくれる人がいる。いばらの道だが、ファンの声に応えたい」と話す。

昭和2年に芝居小屋として開業し、戦後の28年に映画館に転向。約20年前からは、地域で唯一のミニシアターとして、シネコン(複合型映画館)では見られない作品を数多く上映し、ファンを楽しませてきた。

しかし、4月に感染が広がると客足は遠のき、18日から営業を休止。先が見えない状況が続いたが、再開を待つファンからの励ましの手紙やメールに支えられ、館内の清掃や照明の入れ替え、壁の塗装といった手入れをして、いつでも客を迎えられるよう準備した。

約1カ月半ぶりの再開を決め、入場できる人数を本館(108席)は30人、別館(47席)は15人に制限した。感染対策として、座席の左右2席を空けてもらう。マスク着用と入場前の手指消毒を呼び掛け、館内の換気や消毒も徹底する。

再開を知ったファンからは喜びの声が寄せられた。ただ、再開後に客がどれぐらい戻るか、いつ感染の第2波が来るか、業界全体の苦境など不安は尽きないという。水野代表は「映画館の価値が試される。コロナの時代の映画館のあり方を模索しながら、アイデアを出していくしかない」と話した。

上映スケジュールなどはホームページに掲載。問い合わせは進富座=電話0596(28)2875=へ。