
新型コロナウイルスの感染拡大で売り上げが落ち込んだ事業者を支援するため、岡田文化財団は27日、三重県中小企業振興基金に1億円を寄付した。県は中小事業者に最大で100万円を給付する「県経営向上支援新型コロナ危機対応補助金」の財源に充てる。
財団はイオングループ名誉会長の岡田卓也氏が昭和54年に創設し、理事長を務める。菰野町で美術館「パラミタミュージアム」を運営する。新型コロナウイルスの影響で助成している美術事業などが中止になったため、予算を有効活用しようと寄付を申し出た。
県庁で贈呈式があり、財団の伊藤薫事務局長が「岡田(理事長)から『三重県は観光業などで大変な状況になっているのではないか。助成できるか県に相談するように』と指示があった。ぜひ有効に使っていただきたい」とあいさつ。鈴木英敬知事に目録を手渡した。
鈴木知事は返礼として、財団に感謝状を贈呈。「本当に多額の寄付を賜わったことにお礼を申し上げたい。中小企業振興基金に積み立て、新型コロナ関係で痛みを受けた中小企業・小規模企業を支援する補助金の財源として使わせていただく」と述べた。
県は売り上げが前年同月と比べて15%以上減少した中小企業や小規模企業などを対象に50―100万円の補助金を給付している。4月には788件の申請があり、320件に交付。今月29日を締め切りに2回目の申請を受け付けている。