建設残土の不法投棄訴訟 残土撤去と110万円支払い命令 津地裁四日市支部 三重

【残土の不法投棄事件を巡り、弥富市や熊谷組への提訴を検討している考えを明らかにした村田弁護士=四日市市役所で】

所有する土地に残土を不法投棄されたとして、愛知県弥富市の男性会社員が不法投棄を指示した三重県桑名市の残土処理業の男性(75)に残土の撤去などを求めた訴訟で、津地裁四日市支部(渡辺諭裁判官)は14日、男性の主張を認め、業者に残土の撤去と慰謝料110万円の支払いを命じた。

判決理由で渡辺裁判官は「残土を搬入し、標高約10メートルに達するまで積み上げた。撤去すべき量に照らすと実現には多額の費用を要する」と指摘。その上で「原告の被害を回復するには相当な困難を伴う」とし、慰謝料の支払いを命じた。

判決によると、残土処理業者は平成29年9月―30年6月ごろ、男性が所有する金魚の養魚池として使用していた土地など約5100平方メートルに残土を搬入。搬入した残土は少なくとも8千立方メートルあり、約10メートルの高さまで積み上げた。
■原告側、訴訟を検討 弥富市や熊谷組の責任追及■
残土の不法投棄訴訟の勝訴を受け、原告側代理人の村田正人弁護士らが14日、四日市市役所で記者会見を開き、「投棄された残土の一部は愛知県弥富市役所の新庁舎建設で生じたもの。市や請け負った(建設大手の)熊谷組の排出責任を追及したい」と主張し、市や同社を相手取り、訴訟を検討している考えを明らかにした。

村田弁護士は不法投棄が起きる背景として「残土処理に関する法律や条例の不備がある」と指摘。「残土の処理場が少ないため、悪質な残土処理業者が暗躍している。正規の残土処理価格が高騰する中、悪質な業者は安い価格で入り込むため、悪貨が良貨を駆逐する現象が起きている」と強調した。

この日の判決で、地裁四日市支部は桑名市の残土処理業者(75)に撤去を命じたが、村田弁護士は「資力がないので実現は困難」と指摘。撤去費用は5千万円とされており、弥富市や熊谷組の排出責任を追及し「資力のあるところに撤去してほしい」と述べた。

この残土不法投棄事件を巡り、村田弁護士らは愛知県警蟹江署に対し、不動産侵奪罪で残土処理業者を刑事告訴している。