全従業員の解雇、説明を 伊勢・大屋タクシーにユニオンなどが要望書

【会見する(左から)池田議長、奥野書記長=伊勢市役所で】

【伊勢】大屋タクシー(本社・伊勢市神社港)が5月末の廃業に伴って全従業員の解雇を決めたことに対し、南勢地域労働組合総連合(池田実議長)と南勢ユニオン(中川隆生執行委員長)は8日、市役所で会見し、同社に説明を求める要望書を提出したと明らかにした。

南勢労連などによると、同社は4月下旬ごろ、従業員15人に解雇予告通知書を郵送したが、「事業の廃止」以外の具体的な理由や生活保障への説明はなかった。その後、南勢ユニオンが求めた同社代理人からの資料は「経営者の高齢やコロナ禍での乗客激減」などを理由に挙げたという。

要望書は「解雇を回避する義務があり、従業員への説明責任を果たすために集会を開くなど、対話を要望する」とし、雇用調整助成金制度で解雇を回避する意思はないか▽経営権を他社に移譲する意思はないか▽従業員の生活保障をしないのか―の3点に回答を求めた。

池田議長と南勢ユニオンの奥野忠書記長は同日、本社を訪れるも担当者と会えず、要望書を投函とうかんしたと説明。「従業員への思いやりがなく、残念に思う」と述べた。従業員の男性(61)は「ドライバー以上に困る高齢者もいる。説明責任が果たされないのは不誠実極まりない」と話した。