出荷減の養殖マダイ、毎日販売 熊野と御浜町のオークワ、コロナ影響の生産者応援 三重県

【水谷水産が育てた熊野鯛の刺し身などが並ぶ店内=熊野市有馬町のオークワ有馬店で(オークワ提供)】

【熊野】新型コロナウイルス感染拡大の影響で三重県内の養殖マダイの出荷量が落ち込んでいる中、生産者を応援しようと、東海・近畿圏でスーパーを展開する「オークワ」(本社・和歌山市)が、熊野市と御浜町の3店舗で、同市有馬町の「水谷水産」が育てたマダイの刺し身や切り身などを4月から毎日販売している。

同社は、市特産の香酸かんきつ「新姫(にいひめ)」の粉末を配合したエサを与えた養殖マダイ「熊野鯛」を約100万匹育てている。「養殖特有の臭みがないのが特徴」という。

多い日は1日に約4000匹を全国の飲食店などに出荷していたが、ウイルスの感染拡大でキャンセルが相次いだ。出荷量は4月に入ってから1日に500匹ほどにとどまっており、同社の水谷徹社長(56)は「厳しい状態が続いている」と話す。

同市二木島町では、約30万匹のマダイを育てている。2年ほどかけて育て、体長40―50センチ重さ1・5―2キロになると出荷しているが、3月からほとんど注文が入ってこず、担当者の水谷弘行さん(37)は「前年と比べて10分の1くらいまで出荷量が減った」と肩を落とす。

いけすの中では出荷されないマダイが泳いでいるため、春と秋の年に二回、いけすに入れる稚魚が、今は入れられない状態だ。エサ代の負担も大きく、マダイが規格を超える大きさになると売れなくなるため、エサの量を調整しながら育てているという。

そんな中、同社からの要請を受けたオークワが、熊野市の熊野店、有馬店と御浜町の阿田和店の計3店舗で、水谷水産のマダイの刺し身や切り身などの販売を始めている。

オークワの和歌山地区担当バイヤーの後藤雅樹さん(53)によると、これまで両市町の3店舗では、和歌山産と愛媛産のマダイを販売しており、水谷水産のマダイはお盆や年末年始の繁忙期しか取り扱っていなかったという。感染拡大で出荷量が激減した地元の企業を応援したいと、同社のマダイを3店舗で毎日販売することにした。

後藤さんは「三重のバイヤーと協力し、今後は尾鷲や松阪方面にも熊野鯛の販売を広げ、地元企業を盛り上げたい」と話している。