大紀町の味や温かさ感染拡大地域に 休業の農家民宿が会員らに無料便

【自分らで作った野菜やマスクなどを詰め合わせる田所さん(右)と由起子さん=大紀町金輪の「大紀町日本一のふるさと村」で】

【度会郡】新型コロナウイルス感染拡大防止のため、現在休業中の大紀町金輪の農家民宿「大紀町日本一のふるさと村」(瀬古悦生村長)が感染拡大地域の東京、大阪、神奈川など7都府県に在住する同民宿の会員やこれまでの宿泊者を励まそうと、自分らが作った野菜や米、パン、マスクなどを詰め合わせ、手紙を添えた「ふるさと便」を無料で送っている。

ふるさと村は古民家を改装し、平成22年に開村。野菜の収穫やご飯のかまど炊き、ハイキングなどさまざまな体験が魅力の宿としてリピーターも多い。

本来なら今の時季は田植え体験を行っているが、コロナの影響で4月から休業。おかみの瀬古由起子さん(73)や若おかみの田所恵理さん(42)は、休みの間に自分たちができることはないかと考え、ふるさと便を思い付いた。

日によって内容は違うが旬の野菜や民宿の名物「かまど炊きご飯パン」、米、フードバンクから寄付された食品、手作りマスク、手紙、毎月発行するふるさと村だよりなどを詰め込み、1日5便のペースで発送。取り組みに賛同する地域の人らも野菜を持ち寄り、マスク作りを手伝ってくれるという。

受け取った人からは、「いっぱい元気をもらった」「こんな時みんなの心がひとつになっているのが分かる」といった感謝の声が届き、由起子さんは「こちらの方が元気をもらっている。こういう時期だからこそ、人と人とのつながりが深まる」と話す。

ふるさと村も休業で収入がなく財政も厳しい状況だが、いつ収束するか分からず不安な気持ちで毎日を過ごす人々を、自分らのできることで励まし続ける。田所さんは「ふるさとの味と温かさを届けたい。いつまでできるか分からないが可能な限りやっていきたい」と話した。