津 断水通告で住民ら〝危機〟 団地管理会社との対立再燃 三重

【管理会社との新たな衝突に備える住民ら=津市白山町二本木で】

5年前、ガスの供給を巡って団地の管理会社と激しく対立した津市内の住民らが、再び〝危機〟に直面している。管理会社から「全世帯の断水」を通告されたというのだ。管理会社は、住民らが私設水道の料金を支払わないことなどが断水の理由だと説明。これに対し、住民らは「管理会社の言うことは何も信用できない」と大反発。「新たな戦い」に臨む構えだ。

舞台は津市白山町二本木にある2つの分譲地。それぞれ「大三台」「雲出台」と呼ばれ、合わせて300軒ほどの住宅や別荘が建ち並ぶ。「温泉付き住宅」をうたい、40年以上前に開発されたという。

これらの住宅地に先月15日、衝撃が走った。「水道料金や私設水道の維持管理費を支払わない家屋は給水をストップする」との書類が各世帯に投函され、2日後に「断水のお知らせ」と記した書類も届いた。

書類の題名は「訴訟の結果を踏まえた通知書」。書類は「管理費を支払わない人は当方の道路や水道は使えないとの決定が下された」とするが、住民らは「誰もこんな訴訟はしていない」と口々に話し、首をかしげる。

住民らは「新型コロナウイルスで手洗いの徹底が叫ばれる中で、ひどい仕打ちだ」と憤慨。「暴挙を見過ごすな」と記したプラカードを作るなどして備えている。7日には、市にも支援を要望する方針だ。

とても「閑静な住宅地」とは言えず、むしろ異様とも見て取れるような光景だが、実は一般的な住宅地とは少し異なる事情がある。背景にあるのは、住民らと管理会社が激しく対立してきた過去だ。

住民らによると、当初の契約になかった「管理費」を請求されたり、管理会社の意向で住民の合意なしにガスの設備が取り外されたり。管理会社側とのトラブルによってパトカーが出動したこともあった。

それが5年前のこと。当時、管理会社と住民の協議は決着を見なかったが、以降は管理会社に目立った動きはなく、平穏を取り戻しつつあるように見えた。ただ、それも長くは続かず。今回の騒動に発展した。

住民らが管理会社に反発する根底には「管理会社への不信感」(住民)があるようだ。管理会社は5年ほど前から、少なくとも5回は名称を変更。現在は度会郡南伊勢町内に本社を置く。「管理会社からの要求もたびたび変わる」という。

このため、多くの住民が「それらの会社と契約を結んだ覚えはない」として、管理会社に水道料金などの支払いを拒否。管理会社から権利を守るための自主組織が「徹底抗戦」の構えを示している。

管理会社の代表は本紙の取材に応じ、断水を通告する文書を各世帯に投函したことを認めた。「断水は漏水の状況を確認するためでもある」と説明する一方で「断水を回避できる方法を検討したい」と語った。

一方、代表は「住民らは水道を使用しているのだから料金を支払ってもらうのは当然のことだ」とも。「住宅地の運営は赤字。水道や道路を津市に管理してもらうことも検討している」と語った。