スジアオノリの陸上養殖工場が完成 南伊勢町、年間4㌧の出荷目指す

【地下海水を使ったスジアオノリの陸上養殖工場=南伊勢町田曽浦の南伊勢マリンバイオで】

三重県南伊勢町田曽浦に、食用アオノリ類の中でも香りが高い品種でお好み焼きやたこ焼きに振りかける「スジアオノリ」の陸上養殖工場となる「南伊勢マリンバイオ」(田中正廣社長)が完成した。5月の試運転終了後、6月から本格稼働。乾燥重量で年間四トンの生産を目指し、全国の食品、菓子メーカーや県内市場などに出荷する予定。

ノリの海面養殖事業は海水温度の上昇などで厳しい状況が続いており、四国を中心に海面養殖が行われているスジアオノリもピーク時の3分の1程度の50㌧まで生産量が減少した。

価格は高騰したが現在も根強いニーズがあることから、高品質なスジアオノリの安定供給や地域産業の活性化を目指し、環境調査・分析事業を手掛ける「東海テクノ」(本社、四日市市)が同社を設立。長年培ってきた分析技術やデータ計測技術を生産の品質向上や効率化などに応用していく。

施設の総面積は8582平方㍍、養殖場面積は4550平方㍍。総工費は約4億円。地元から8人を雇用し、11人体制で作業に当たる。スジアオノリの生産には、高知大学の特許で胞子を絡ませて培養する海藻養殖法を使用する。

集塊化した胞子は成長に合わせて100㍑、直径1㍍、3㍍(各10基)、7㍍(20基)の水槽で育てる。施設の敷地内に井戸を掘り、地下約10㍍からくみ上げた海水を使うため水温が一定に保たれ、砂などで海水がろ過されて不純物が取り除かれる。洗浄、脱水、冷風乾燥を経て約70日で出荷できるという。

田中社長(64)は「この地域にスジアオノリの生産が広がっていくように事業を発展させたい」と話した。

【水槽で育てられるスジアオノリの説明をする田中社長=南伊勢町田曽浦の南伊勢マリンバイオで】