広島知事発言「横暴だ」 三重県庁でも反発の声

【湯崎知事の発言に批判の声が相次ぐ三重県庁=津市広明町で】

新型コロナウイルスの感染が広がる中、三重県庁で話題に上がるのが政府による10万円の一律給付。県職員の給付金を対策費に充てる意向を示した湯崎英彦広島県知事に「横暴だ」などと反発の声が相次いでいる。

一方で「公務員は安定しているんだから」と、一定の理解を示す職員も。鈴木英敬知事は「職員の気持ちと県民への還元を両立させる」と何らかの対応を示唆しており、県職員らは今後の発言を注視する。

湯崎知事は21日の記者会見で、職員の給付金を対策費に充てる考えを示した。翌日には「誤解を生む言い方だった」と釈明するも「職員に協力をお願いすることも選択肢の一つ」と語ったという。

遠く離れた三重県庁でも湯崎知事の発言が物議を醸している。ある課長級の男性は「経済対策が目的なんだから、公務員も受け取って当然。知事が寄付を強制すれば、誰もついてこなくなる」と憤る。

「まさに横暴。公務員の人権を無視したあり得ない発言だ」と、本庁で勤務する30代男性もいらだちを隠せない。「県産品を購入するなど、寄付以外の方法で地域に貢献することもできる」と説く。

一方、ある若手職員は「公務員の給料は変わらず、生活に特段の影響はないので寄付には一理ある」と理解を示す。ただ、この職員も「当然もらって趣味の古銭収集につぎ込める」とうれしそうだ。

将来的な給与削減を推察する声も聞かれた。50代男性職員は、東日本大震災の復興財源確保を目的に給与が削減された過去を踏まえて「今回も何らかのことがあるだろう」と厳しい表情を浮かべた。

年に一度の対談などで湯崎知事との親睦が深い鈴木知事は、どう捉えたか。22日のぶら下がり会見で湯崎知事の発言を問われた鈴木知事は「詳細には把握していないので」と直接の言及は避けた。

ただ、県も何らかの対応を検討しているようだ。鈴木知事は「県民の役に立ちたい職員も多い一方で、事情がある職員も多い。皆の気持ちと県民への還元をどう両立させるか議論している」と語った。