コロナ巡る差別排除を ネット上の誹謗中傷深刻 ヒューリアみえが要請書 三重

新型コロナウイルスの感染拡大で差別が広がっているとして、三重県の公益財団法人「反差別・人権研究所みえ」(ヒューリアみえ)は23日、差別解消に向けた取り組みの推進を求める要請書を県と県内の市町、報道各社に提出した。インターネット上の差別的な書き込みが「過去に例のないペース」で広がっており、「感染者が必要な医療を受けることを阻害させかねない」と警鐘を鳴らしている。

要請書は「ウイルスに感染した被害者が、あたかも加害者のように扱われている」と指摘。「ウイルスの感染よりも、差別や偏見、デマが早く拡散しているといっても過言ではない」と指摘した。

その上で、県には差別的な言動の効果的な防止策を市町と連携して展開するよう要請。市町には人権侵害などの被害を訴える相談へのきめ細かな対応、報道各社には差別意識の解消に向けた情報発信を求めた。

また、要請書は「感染症を巡る差別意識は、事態が沈静化すると話題に上らなくなるが、再び利害が生じるようになると、顔をのぞかせて襲いかかる。差別意識の沈静化と解消は別問題だ」と訴えている。

同法人によると、地域の情報を掲載しているインターネット掲示板などでは、県内の感染者らに対する誹謗中傷が相次いでいる。特定の個人や事業所名を挙げて批判する書き込みもあるという。

担当者は「約15年間にわたってインターネット上の差別的な書き込みの対策に当たってきたが、今が最も深刻な状況だ」と指摘。今後、差別的な書き込みの件数を公表するなどして啓発を図るという。

鈴木英敬知事は22日のぶら下がり会見で、同法人からの要請について「これまでも誹謗中傷などを絶対にしないよう呼び掛けてきたが、重く受け止める。これまで以上にしっかり取り組む」と述べた。