休業要請「やむを得ない」 新型ウイルスで県「緊急事態措置」 経営への影響懸念も

三重県が「緊急事態措置」を発表した20日、県内の事業者からは「一日でも早く収束させるためには、やむを得ない」と理解を示す声が相次いだ。一方で「稼ぎ時なのでつらい」などと、休業による経営への影響を懸念する声も。要請に応じた事業者に支払われる「一律50万円」の協力金には「ないよりは良いが」と複雑な心境を明かす事業者もあった。

津市の百貨店「津松菱」は県の要請を受け、食品売り場以外の臨時休業を決めた。担当者は「東京でも百貨店が休業したので、対応が必要だと思っていた。収束させて日常に戻ることが先決」と理解を示す。

県内でカラオケ店やゲームセンターなどを営む会社は休業要請前の18日から3店舗のカラオケ店を休業。要請の対象に含まれたゲームセンターの休業も検討している。

同社の男性社長(35)は、休業に応じた場合に支払われる協力金について「税金の支払いで終わってしまうような額だ」と指摘。「県に潤沢な予算があるわけではないので仕方がないが」とも語った。

一方で「協力金について問い合わせようと何度も県に電話したが、つながらない」と語るのは、近鉄四日市駅近くでバーを営む男性(58)。「休業要請に従っても国の補償対象からは外れないのか」と懸念する。

伊勢市で飲食店を営む男性(43)は休業要請が20日になったことに「日に日に状況が悪くなる。できれば土日の前に出してほしかった」とさらなる悪化を懸念する。協力金については「出ないよりはいいが、正直あっという間になくなってしまう」と話す。

休業要請の対象ではないが、既に休業を決めた施設も。紀北町東長島の「ホテル季の座」は、5月末までの休館を決定。森岡利夫支配人(48)は「経営は苦しいが、スタッフや宿泊客の安全を重視した」と話す。

志摩市で貸別荘業を営む男性(60)は「稼ぎ時なので休業はつらいが、国の危機なのでみんなで頑張るしかない」と話した。

「生活の維持に必要な店舗」は営業を続ける。東紀州などで移動スーパーを手掛ける熊野市大泊町の「はじ丸」は、外出などを控える人が増えたことで、常連客以外の利用者も増えているという。

同社の西川武志社長(35)は「車を持たず、移動スーパーがないと晩ご飯が食べられないという高齢者もいる。十分に感染防止対策をして、困っている人のために営業を続けたい」と話していた。