新型コロナ、養殖業にも影響 需要減でマダイ出荷できず 三重

【出荷できていないマダイのいけすを視察する鈴木知事(右端から3人目)=南伊勢町阿曽浦で】

鈴木英敬三重県知事は7日、新型コロナウイルスの感染拡大で業績への影響を受けている県内の養殖場と、増産に追われているアルコール消毒液の製造工場を視察した。鈴木知事は県内の養殖業について「旅館やホテルの需要が減少しているため、工夫して消費してもらう仕組みを作らなければならない」との考えを示した。視察内容を踏まえ、8日の緊急経済会合で必要な経済対策を協議する。

南伊勢町阿曽浦の三重外湾漁業協同組合阿曽浦事務所では、県内の漁業関係者や小山巧南伊勢町長らから新型ウイルスの感染拡大に伴う養殖産業への影響を聞き取った。近くの漁港で、いけすの中で出荷されないまま規格外の大きさに成長したマダイを視察した。

県海水養魚協議会の橋本純会長は外出自粛などで外食産業や観光産業が低迷し、3月以降は養殖マダイの出荷量が落ち込んだと説明。「マダイがいけすに残っているため、2年後に出荷する予定の稚魚が投入できない」と述べ、成長したマダイの出荷先を求めた。

また、鈴木知事はアルコール消毒液のトップシェアを誇る「健栄製薬」(大阪市)の主力製造拠点の松阪工場も訪問。滝野六朗社長らは品薄状態を解消するため、工場を1日18時間稼働させていると説明し、新たな製造拠点の設置で財政的な支援を求めた。

鈴木知事は視察後、取材に応じ「養殖業者は小規模な経営体が大半であるため、経営持続への支援が必要」と説明。健栄製薬に対しては「全力を挙げて生産している姿に感謝したい。増産に向けて設備を増やす必要があるので、微力ながら支援したい」と語った。