2020年4月4日(土)

▼3期目に入って名知事の誉れ高いことを意識し自信を強めたか、それとも何か期することでもあったか。鈴木英敬知事が安倍晋三首相に兄事していることは承知していたが、そう思われることにこのところ、以前感じたようなためらいがない

▼全世帯に布マスク2枚配ると表明したことについて「(マスクが)足りないという声に応えて努力していく姿勢を示したと思う」。布マスクであることについても「洗って何度も使える」と評価した。どちらもその通りだろうが、取り立てて言うほどのことかどうか

▼ドラッグストアチェーンに開店3時間前から並んで何とか確保している医療、販売店関係者や、使い捨てマスクを洗って再使用、あるいは手作りしている人がすでに大勢いる。今ごろ2枚配ることを高く評価することに違和感を感じる向きもあるのではないか

▼ネットではいろんな意見が飛び交っている。SNSでは一時「竹槍」がトレンドワードになった。先の大戦末期に打倒鬼畜米英を叫んで竹槍訓練に励んだ状況にそっくりというのである。焼け石に水との嘲笑が背景にあるが、戦争経験が風化されず、SNS世代に引き継がれているのがおもしろかった

▼県立病院でも一時マスクの2日使用が論議されたが、政府からの4万8千枚到着で一息ついたようだ。原則個人調達は変わっていない。ほかは推して知るべし。為政者との認識に相当の溝があるのではないか。知事がどちらを向いてマスク論を語っているのかということである

▼「何度も使える」は洗い方、傷つき具合にもよろうが、それは個人の責任か。