「家庭単位でリスクを評価すべき」 外国女児虐待死 検証委が県に報告 三重

【鈴木知事(右)に報告書を手渡す村瀬委員長=三重県庁で】

三重県四日市市で平成29年8月にブラジル国籍の女児=当時(6つ)=が母親の内縁の夫でペルー国籍の男=傷害致死罪などで懲役9年6月確定=から暴行を受けて死亡した事案を巡って、県の検証委員会が30日、報告書を鈴木英敬知事に提出した。女児の死を「これまでの手続きでは拾えない事案」とし、児童相談所が姉への虐待を把握していたため「家庭単位でリスクを評価すべき」と求めた。

報告書によると、女児は29年8月29日、車内から遺体で発見された。女児が鈴鹿市に住んでいた時期、児童相談所は姉が母親から身体的虐待を受けていることを把握していたが、女児は虐待の現場を目撃する心理的虐待だけ受けていると認識していた。

報告書では、姉を一時保護した段階で、児相は内縁の男が同居している事実を把握していたと指摘。姉が男から首を絞めるなどの身体的虐待を受けたと語っていたため、男から女児が虐待を受ける可能性を考慮すべきだったとした。

その上で「家庭単位の視点から危険性を評価する必要がある」と提言。鈴鹿市が転居先の四日市市に情報を共有していなかったため「子どもの情報は最終的に市町で把握する意識を強く持つべき。一定期間は管理してほしい」と市町に継続的な見守りを求めた。

鈴木知事は、報告書を受けて「子どもの尊い命が奪われたことを重く受け止め、二度と起きないよう全力を挙げて取り組みたい」と表明。「子どもの状況変化を家庭単位でリスクアセスメントすることをさらに徹底しなければならないと感じている」と述べた。

一方、今回の提言書では外国人家庭への対応や課題については踏み込まなかった。検証委で委員長を務めた村瀬勝彦弁護士は「背景的な事情としては、委員間でもかなり問題意識を持っていた。なかなか文字化するのは難しかった」と説明した。

検証委は、県が児相などの対応を検証するため、平成31年1月に設置。弁護士や医師など有識者ら5人が委員を務め、今年1月まで13回に渡って審議した。