南伊勢町 東京リレーの感動、後世に 田岡さん、ランナー象建立 三重

【「聖火ランナーの像」と田岡さん=南伊勢町宿浦のYショップマサヤで】

【度会郡】1964年の東京五輪で聖火ランナーを務めた、三重県南伊勢町宿浦の有限会社「マサヤ」社長、田岡正廣さん(75)が、同社が経営するYショップマサヤ前に、ブロンズ製で高さ55センチの「聖火ランナーの像」を建立した。29日には関係者ら約20人が出席し、除幕式が行われた。

田岡さんは19歳の時、教育委員会の推薦で聖火ランナーに選ばれ、四日市市内の2キロのコースを走った。「沿道の歓声がすごかった。この火を次のランナーにつながなければという責任感で緊張した」と振り返る。

2回目の東京五輪開催が決まった7年前に、「前回の感動や思い出を何かの形で後生に伝えたい」とブロンズ像の制作を決めた。

一昨年、地元の伊勢現代美術館の紹介で愛知県を中心に活躍する彫刻家、谷口智宏さんに制作を依頼。田岡さんの話や資料、保管していたユニホーム、トーチ、運動靴からイメージを膨らませ、19歳の頃の田岡さんを想像しながら約1年かけてトーチを手に走る聖火ランナー像を作り上げた。

この日は、田岡さんや谷口さん、片山嘉人教育長、地元住民らが集まり、ブロンズ像の完成を祝った。

田岡さんは「聖火ランナーの像を見て当時の地域のなりわいや世界の動きを思い出し、未来につないでもらえれば」とあいさつ。「オリンピックの延期や聖火リレーの中止は非常に残念だが新型コロナウイルスの世界的な感染で仕方がないこと。今回の聖火ランナーがこの像を見に来てくれたら当時のことを話すので参考にしてもらえるとありがたい」と話した。