那智黒石を商標登録 熊野市特産、モニュメント披露 三重

【那智黒石で制作されたモニュメントを披露する関係者ら=熊野市木本町の鬼ケ城センターで】

【熊野】三重県熊野市特産の那智黒石の加工業者らでつくる熊野那智黒石協同組合は23日、市役所で記者会見を開き、那智黒石が特許庁の地域団体商標に登録されたと発表した。市によると、地域団体商標の登録は同市では初めてという。

那智黒石は同市神川町で採石され、粒子がきめ細かく、磨くと漆黒が美しく輝く。囲碁の黒石のほか、板状に割れる性質を生かし、硯(すずり)などにも加工されている。

特許庁によると、地域団体商標は地域のブランドを適切に保護し、競争力強化と地域経済の活性化を支援することを目的に始まった制度。県内では、伊勢型紙や松阪牛などが登録されており、那智黒石で15件目。

同組合によると、海外の石を那智黒石と偽ってネットなどで販売する業者があり、購入した客から苦情が来たことから「那智黒石の名前や熊野の特産を守っていきたい」と出願を決めたという。

平成21年から登録準備を行い、23―25年にわたり三度出願したが、登録には至らなかった。市や和歌山県那智勝浦町の那智黒石関連事業者らの協力を得て29年10月に4度目の出願を行った。熊野詣の証として拾われていたことなど歴史的な背景が認められ、今年2月に登録された。

この日、同市木本町の鬼ケ城センターで、登録を記念して制作した高さ約1メートル50センチの那智黒石のモニュメントがお披露目された。平安時代初期の征夷大将軍・坂上田村麻呂が討ち取った伝説の鬼「多娥丸(たがまる)」をイメージしたという。

同組合の田野栄一理事長(51)は「新商品の開発など那智黒石の普及に努めていきたい」と話した。