三重県内公示地価 28年連続で下落 伊勢神宮周辺の商業地は上昇

【三重県内の商業地で上昇率がトップの伊勢市宇治今在家町】

国土交通省は18日、令和二年の公示地価を発表した。三重県内の平均変動率は住宅地がマイナス0・7%、商業地がマイナス0・4%で、いずれも28年連続で下落。伊勢神宮に近い商業地は改元によって参拝客が増加したことで上昇率が高まった。

公示地価は、国交省が定める標準地について、1月1日現在の価格を公示する制度。土地取引の目安となる。県内では、38人の不動産鑑定士が25市町の432地点を調査した。

 

■住宅地

平均価格は一平方メートル当たり3万8300円。下落率は0・3ポイント縮小した。前年と比較可能な291地点のうち、前年に比べて24地点多い80地点で上昇。170地点で下落し、41地点は横ばいだった。

市町ごとの平均では、四日市市(プラス0・1%)と朝日町(同0・2%)、川越町(同0・3%)が上昇。県北部の高台や最寄り駅に近い住宅地を中心に需要が堅調で、上昇や横ばいの地点が増加した。

最高価格は津市大谷町の11万3千円で7年連続。上昇率も2・7%と最も高かった。津駅西側の閑静な住宅地として需要が高い。価格と上昇率の上位10地点は、津市、桑名市、四日市市が占めた。

一方、沿岸部は津波の懸念から需要が低迷。下落率のトップは志摩市志摩町のマイナス3・4%だった。都市部でも土地の低い桑名市長島町や沿岸部の津市香良洲町などは需要が低く、二極化が進んでいる。

 

■商業地

平均価格は6万9600円で、下落率は0・4ポイント縮小した。前年と同じ110地点のうち、前年より9地点多い38地点で上昇。57地点で下落し、15地点は横ばいだった。

市町ごとの平均は、四日市市(プラス1・2%)や桑名市(同0・6%)、菰野町(同0・2%)、伊勢市(同0・4%)が上昇。南伊勢町(マイナス2・8%)や志摩市(同2・7%)など南部の下落が目立つ。

最高価格は34年連続で四日市市諏訪栄町。1万3千円増の40万円となった。近鉄四日市駅に近く、高い集客力を背景に店舗やオフィスの入居のほか、マンション用地としての需要が高い。

上昇率のトップは、伊勢神宮内宮周辺の伊勢市宇治今在家町で6・0%増。伊勢志摩サミットが開かれた平成28年以来、4年ぶりにトップとなった。2位は外宮参道沿いの伊勢市本町だった。

一方、下落率が最も大きかったのは、尾鷲駅周辺の尾鷲市野地町でマイナス3・3%。志摩市や南伊勢町は高齢化や過疎化によって需要が低迷。伊賀、名張両市では大通り沿いの商業地で空き店舗が増えている。

代表幹事の片岡浩司不動産鑑定士は「住宅地は利便性や災害リスクによる選別化が進む。同じ市内でも、臨海部は下落が続き、高台で駅に近い地域は地価が上昇に転じるなど、二極化が目立つ」と話す。