猫描いた涅槃図開帳 日本に3幅 三重の林性寺

【猫の描かれた場所を確かめる参拝者=津市榊原町の林性寺で】

【津】三重県津市榊原町の林性寺(小泉晶嗣住職)で14日、釈迦(しゃか)の入滅を描いた室町時代の「涅槃(ねはん)像曼荼羅(まんだら)図」(涅槃図)のご開帳が始まった。毎年陰暦で釈迦の命日に当たる3月15日の前後3日間に開帳する市の有形文化財で一般的な仏画には登場することのない猫が描かれている。16日まで。午前8時―午後5時(最終日は午後3時まで)。

同寺の涅槃図は「兆殿司」と呼ばれた室町時代の画僧吉山明兆の筆による絹本着色で画面は縦約2・6メートル、横2・5メートル。横たわる釈迦の周囲で弟子や鳥獣が嘆く様子を描いており画面の下部に白に灰色模様の猫の姿がある。

小泉住職(47)によると作者が苦心していた釈迦の口紅の色を傍らにいた猫がくわえて持ってきたことからお礼に姿を描いたとの言い伝えがあり、室町時代のもので猫が描かれた涅槃図は日本に3幅しかないという。

初日は雨にもかかわらず近隣の人らが次々に訪れた。同町の高沼多恵子さん(78)は隣人の山川絹子さん(75)と訪れ「毎年来ているがこんな近くで見たのは初めて。猫の尻尾が長いですね」と感想を話した。