カルテからファイルに 三重県議会常任委 支援児童冊子の名称変更

【「パーソナルカルテ」の名称変更について県教委から説明を受ける教育警察常任委=三重県議会議事堂で】

三重県議会は12日、総務地域連携、県土整備企業、教育警察の各常任委員会と予算決算常任委の各分科会を開いた。県教委事務局は教育警察常任委で、特別な支援が必要な児童や生徒に配布している冊子「パーソナルカルテ」の名称を「パーソナルファイル」に変更することを明らかにした。保護者や有識者らの意見を踏まえて改称。4月1日以降の配布分から適用する。

 

〈教育警察=田中智也委員(8人)〉
平成30年8月に県立高校1年の男子生徒=当時(16)=が自殺したのはいじめが原因の一つとする県いじめ対策審議会の調査報告書が6日にまとまったことを受け、委員から「対応が遅い」と非難する声が上がった。県教委は「一定の調査はしていた」と述べた。

【いじめ】
県教委がいじめ防止対策法に定められている重大事態に認定したのは平成30年11月。家族からいじめの疑いがあるとの申し出を受けての対応だった。12月に弁護士らでつくる審議会が調査を始めた。

田中祐治副委員長(自民党県議団、2期、松阪市選出)は「いじめの可能性はゼロではなかったのだから、8月の段階から動くべき」と指摘。県教委は「審議会から調査の開始が遅かったとの提言があった。今後対応したい」と答弁した。

【パーソナルファイル】
県教委は特別支援学校などに通う子どもたちの必要な支援や体調を書き込む冊子「パーソナルカルテ」の名称を「パーソナルファイル」に変更。従来の記録内容に加えて、就学前検診の結果や進路相談の過程を記録できるよう拡充する。

名称を巡っては、保護者から「カルテという名称に抵抗感がある」との指摘があり、県教委は当初「支援情報ファイル」に変更する予定だった。昨年12月の総合教育会議で、委員から「もう少しソフトな名称にならないか」との意見があり、新たな名称を考えた。

 

〈防災県土整備企業=木津直樹委員長(9人)〉
中小河川の洪水浸水想定区域図の作成費約1億6千万円を含む令和2年度一般会計当初予算案や、元年度一般会計最終補正予算案の県土整備部関係分について、いずれも全会一致で「可決すべき」とした。

【洪水浸水想定区域図】
昨年の台風19号では、洪水浸水想定区域図を作成していない中小河川で浸水被害が多発したことを踏まえ、県は2年度に中小河川の洪水浸水想定区域図を作成する。対象は神内川(紀宝町)など20河川。

日沖正信委員(新政みえ、6期、いなべ市・員弁郡)は「中小河川の管理が県と市町で分かれているところもある。途中からしか洪水浸水想定を作らないのか」と質問。県土整備部の担当者は「県として費用を出すことは難しいが、市町と協力して一緒に作成することはできる」と説明した。

【流域下水道】
県土整備部は「流域下水道事業経営戦略(仮称)」の最終案を示した。流域下水道を安定的に継続させることを目的に策定し、令和2年度からの10年間を対象としている。今月下旬にも決定し、県のホームページで公表する方針。

最終案は流域下水道事業の経営理念に「公共性と経済性の両立」を掲げた。下水道に接続する世帯の増加に伴い、流域下水道への流入水量が増えると推定。市町から県に支払われる料金が、令和2年度からの10年間で13億円程度の増加が見込まれるとした。
〈総務地域連携=廣耕太郎委員長(8人)〉
新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、委員から「コロナショック」による税収減を懸念する声が上がった。総務部は、貯金に当たる財政調整基金の取り崩しも視野に対応する考えを示した。

【減収懸念】
県財政に関連し、稲森稔尚委員(草の根運動いが、2期、伊賀市選出)は「コロナショックと言えるような状況も危惧される」と指摘。「消費の伸び悩みや経済の停滞による歳入への影響について、どう警戒するのか」と尋ねた。

紀平勉総務部長は「突発的な事態には財調を活用する。これまでも鳥インフルエンザやSARS(重症急性呼吸器症候群)、豚熱でも対応してきた」と説明。財調が不足した場合は、一部の事業を来年度以降に先送りすることも可能との考えも示した。

【公文書管理規程】
県は昨年12月に可決された公文書管理条例に基づく公文書管理規程の案を示した。各課に文書管理者を置くことを明記。政策決定や事務事業の方針に影響を及ぼす打ち合わせは原則として記録を保存することを義務付けている。

山本佐知子委員(自民党県議団、1期、桑名市・桑名郡)は「歴史的公文書になると所管が環境生活部に移ることに納得できない。歴史的公文書を保管する博物館を環境生活部が所管しているだけでは」と指摘。「総務部に管理の責任がある」と主張した。