三重県議会常任委 災害情報発信、認知度向上を ライン版は県民7割知らず

【防災に関する県民意識調査の結果について説明を受ける防災県土整備企業常任委=三重県議会議事堂で】

三重県議会は10日、総務地域連携、防災県土整備企業、教育警察の各常任委員会と予算決算常任委の各分科会を開いた。県は防災県土整備企業常任委で、県が短文投稿サイト「ツイッター」を通じて災害情報を発信していることを知らない県民が約半数に上るとの調査結果を示した。無料通話アプリ「ライン」での発信を知らない県民は7割を超えた。県は「媒体の利便性を伝え、認知度を高めたい」としている。

 

〈防災県土整備企業=木津直樹委員長(9人)〉
令和2年度一般会計当初予算案と元年度一般会計最終補正予算案の防災対策部関係分や、県の防災対策を推進する「県防災対策推進条例」の改正案など5議案を全会一致で可決すべきとした。

【防災対策推進条例】
制定から10年が経過した「県防災対策推進条例」の改正案を示した。障害者や高齢者など災害時に1人での避難が困難な要配慮者が事前に自主防災組織や市町に住まいなどの個人情報を提供するのは、従前と同じく努力義務とした。

日沖正信委員(新政みえ、6期、いなべ市・員弁郡選出)は「個人情報の保護を優先したら『誰一人取り残さない』ということはできないのでは」と指摘。藤川和重次長は「個人情報と要配慮者支援のせめぎ合い。個人情報とのバランスが難しい」と理解を求めた。

【防災情報】
県は昨年11月に20歳以上の県民5千人を対象に実施した「防災に関する県民意識調査」の結果を報告。防災意識や災害時の避難行動、県の施策の認知度など55問を尋ね、約半数に当たる2535人から回答を得た。

平成29年6月からツイッターで、30年6月からラインで災害情報の発信を始めたものの、意識調査ではいずれも依然として認知度が低いと判明。県はチラシの配布を増やしたり、職員の名刺にQRコードを掲載したりすることで利用を促すとしている。

 

〈総務地域連携=廣耕太郎委員長(8人)〉
県当局は、最新技術を活用して業務を効率化させる「スマート改革」のモデル団体となっている伊賀市と大台町の効果を報告。一部業務の所要時間が年間で8割減となるとの推計結果を示した。

【スマート改革】
県によると、軽自動車の申請に関する作業を自動化した伊賀市では、年間で450時間を要した作業が約8割減となる見通し。肺がん検診の結果を入力する作業を自動化した大台町でも、101時間の入力作業が約8割減少するという。

県当局は常任委で、両市町が導入した「RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)」と呼ばれる最新技術に、業務時間の削減や職員の負担軽減といった効果があると報告。導入に必要な人材を育成して他市町に取り組みを広げる考えを示した。

【自転車活用】
県は自転車活動推進計画の最終案を示した。令和2年度からの4年間を計画の対象とし、観光誘客や健康増進の取り組みに自転車を活用すると明記。「安全で快適に自転車を利用できる環境の整備」を進めることも定めた。

稲森稔尚委員(草の根運動いが、1期、伊賀市)は「自転車は歩道を走った方が安全。うちの近くにシカしか通らない歩道がある」と主張。山本佐知子委員(自民党県議団、1期、桑名市・桑名郡)は「自転車の活用には自動車の安全運転が不可欠」と指摘した。

 

〈教育警察=田中智也委員長(8人)〉
県警は、県内に141ある駐在所のうち45カ所にパトカーが配備されていないことを明らかにした。令和2年度中に8台を増やす方針。「最終的には全ての駐在所にミニパトカーを配備したい」としている。

【パトカー】
県警は8台のミニパトカーを配備するための費用として、約2600万円を令和2年度一般会計当初予算案に計上していると報告。稲葉幸弘地域部長は「駐在所の機動力強化の一環。令和3年度以降も配備を続ける」と説明した。

津村衛委員(新政みえ、4期、尾鷲市・北牟婁群)は「配備されていない駐在所は、どのように活動しているのか」と質問。稲葉地域部長は「ブロックごとの拠点となる駐在所にミニパトカーが配備されている」と説明した。

【県有施設】
県警は、老朽化などによって使用されていない旧官舎など35の県警関連の公共施設について、今後も活用の見通しがないことから入札で売却する方針を示した。35施設の維持費は、年間で約700万円に上るという。

県警によると、四日市市松原町の旧四日市北署と津市森町の旧森住宅は一般競争入札を実施している。南伊勢町伊勢路の旧穂原駐在所は年度内に解体し、土地を町に返還する。伊勢市上地町の旧城田駐在所は来年度中に解体し、JA伊勢に土地を返還する予定。