生産者「採算取れない」 大麻出荷 県外不許可に不服、審査請求 三重

【記者会見で、県外出荷の審査請求を発表する新田理事(右)ら=三重県庁で】

三重県内で大麻草を栽培している「伊勢麻」は9日、県が不許可にした県外出荷について「認められなければ採算が取れず、県内での栽培を継続できない」などとして、行政不服審査法に基づく審査請求を出した。

同社などは、平成30年から県の許可を得て大麻草を栽培。「精麻」に加工して県内の神社に供給している。一方、愛知県内の神社からも出荷の依頼があり、昨年10月に県外出荷の許可を県に申請した。

これに対し、県は昨年12月に「(県内出荷ほど)社会的有用性はない。栽培で生じる保健衛生上の危害が発生する恐れを受容するまでには至らない」などとして不許可とすることを決めた。

この日、県庁で記者会見した松本信吾社長は、県外出荷を含めた供給量を確保しなければ事業を継続できないと主張。「このままでは麻の栽培という伝統を継承できず、生産者の未来も閉ざされる」と訴えた。

また、同社を支援する一般社団法人「伊勢麻振興協会」の新田均理事は、県の担当者から「厚生労働省の同意がなければ許可は出せない」との説明を受けたと主張。「自治体の事務として不適切だ」と語った。

不許可の判断をした薬務感染症対策課は取材に「厚労省の同意は必要ないが、法解釈などで助言を受けている。保健衛生上の観点を重視した決定。納得してもらえるよう十分に説明したい」としている。