季刊誌「NAGI」創刊20周年 伊勢の月兎舎 三重の文化や魅力を形に

【創刊20周年を迎え記念号を手にする(左から)発行人の吉川さんと坂編集長=伊勢市役所で】

【伊勢】三重県伊勢市の出版社「月兎舎(げっとしゃ)」が発行するローカル季刊誌「NAGI 凪」が、創刊20周年を迎えた。インターネットの普及で出版不況といわれる中、サイズも厚みも変えることなく創刊から同じスタイルを貫き、三重で生活する人の暮らしに結びつく情報を発信し続けている。

NAGIは平成12年6月、発行人の吉川和之さん(58)と編集長坂美幸さん(50)の2人で創刊した。衣・食・住と旅にまつわるテーマを主に取り上げ、人に焦点を当てながら紹介し、年4回の発行を続けてきた。吉川さんは「大きく飛躍することなく、低空飛行を続けてきたから墜落もしなかった」と笑って振り返り「地方には地方なりの文化がある。地域の文化を形に残すことが地方出版社の役目」と話す。

今月発行の20周年記念80号では、漆器や藍染め、鍛造刃物や陶器など、大量生産の工業製品と一線を画す県内の職人の手仕事に注目した特集「手から生まれる」を掲載。ものを長く使い続ける暮らしを提案した。創刊からの全80号の特集テーマや刊行を手掛けた単行本の紹介、月兎舎の創設20年の歩みも綴っている。

編集長の坂さんは「三重の人は『三重は何もない』と思っているが、そんなことはない。毎号、形を変えて『三重はいいよ』と伝えたい」と話した。

記念号80号はB5判104ページ、720円。県内の書店などで販売中。