三重県議会一般質問 災害派遣福祉チーム創設へ

三重県議会2月定例月会議は5日、濱井初男(新政みえ、3期、多気郡選出)、田中祐治(自民党県議団、2期、松阪市)、森野真治(新政みえ、4期、伊賀市)、服部富男(自民党県議団、5期、三重郡)、日沖正信(新政みえ、6期、いなべ市・員弁郡)の5議員が一般質問した。県当局は災害時に要配慮者を支援するため、福祉の専門職で構成するDWAT(災害派遣福祉チーム)を立ち上げる方針を示した。政府が東日本大震災を教訓に設置を呼び掛け、既に22府県が設置している。森野議員への答弁。

■県民の転出超過対策は ― 濱井初男議員(新政みえ)
県民の転出超過が続いていると指摘。「若者の思いを知ることが重要」と説いた。鈴木知事は、多くの若者が防災や医療の政策を重視しているとの調査結果を示した上で「中長期的な視点で着実に取り組む」と返答した。

【地方創生】
濱井議員 県は人口減対策に取り組んできたが、依然として転出超過は改善せず、人口減に歯止めがかかっていない。地方創生は、自分たちの地域や若者の思いを知ることが重要。真の地方創生に向けた知事の決意は。

知事 地域を支える人材を確保する量的視点と、そこで暮らす人の希望を叶える質的な視点を重視している。若者が防災減災や医療を重視していることが意識調査で分かった。ソサイエティ5・0やSDGsの視点を活用し、中長期の視点で着実に取り組む。

【データサイエンス】
濱井議員 令和2年度当初予算案には「データサイエンス推進事業」として、約2300万円が計上されている。人工知能などを使って新たな価値を創造し、県内の産業を振興するとのことだが、具体的な取り組みは。

村上雇用経済部長 ICT(情報通信技術)の活用は企業の生産性向上や地域課題の解決に有効だが、7割近くの事業者がICT化に取り組めていない。構想の作成や産官学のネットワーク構し、人材育成、経営者の意識改革などに取り組みたい。

 

■県農業研の施設改修を ― 田中 祐治議員(自民党県議団)
老朽化した県農業研究所の施設について、早急な改修を求めた。県は施設内の電気設備には、本年度の定期点検で指摘された分も含めて12項目の不適合箇所が残っていると説明し、修繕する考えを示した。

【県農業研究所】
田中議員 県農業研究所は建設されてから50年が経過し、雨漏りなどの対応に追われている。中部電気保安協会からは感電や電気災害につながる恐れがあるため、早急に改修するよう指摘されていると聞く。

前田農林水産部長 建物は耐震性があり、構造上大きな問題はないものの、一部で雨漏りが発生し、電源設備は耐用年数を超えている。電気設備については昨年12月時点で、本年度分の指摘も含めて12項目の不適合箇所が残っている。速やかに修繕したい。

【段ボールベッド】
田中議員 避難所での雑魚寝は肉体的にも精神的にも負担が大きい。県内での段ボールベッドの整備状況は。東京五輪・パラリンピックの選手村で使われた段ボールベッドは大会後に自治体への寄付を検討していると聞く。

日沖防災対策部長 段ボールベッドは備蓄していない。災害時に段ボールベッドを調達する協定について段ボール関係の組合と協議している。現在、大会組織委員会から自治体に対して段ボールベッドに関する正式な発表はない。具体的な発表があれば、寄付の受け入れを検討する。

 

■情報管理方針の公開 ― 森野真治議員(新政みえ)
情報管理の方針などを定めた「情報セキュリティーポリシー」を県が公開していないと指摘し、公開を求めた。県は非公開の理由を「不正アクセスなどが危惧される」としつつも「公開の可能性を研究する」と説明した。

【DWAT】
森野議員 東日本大震災をきっかけに福祉的支援の重要性が認識され、DWATを設置する県が増えているが、残念ながら県では設置されていない。県や関係団体でつくる協議会が設置されてから6年が経過するが、現状は。

大橋子ども・福祉部長 県や県社会福祉協議会、関係団体との間で、DWATを含めたネットワークの構築などを取り決めた協定を3月に締結することとしている。チーム員の募集や研修、訓練を実施し、早期にDWATを派遣できる体制を構築したい。

【情報管理】
森野議員 神奈川県のハードディスク漏えい事件を受け、三重県に「情報セキュリティーポリシー」の公開を求めたら「非公開」と言われた。理解に苦しむ。県民に考え方を示せば見直しにつながるなど、公開のメリットは多い。

大西地域連携部長 総務省は公開の判断を地方公共団体に委ね、都道府県のうち39団体が非公開としている。対策基準を公開すれば、不正アクセスなどのリスクを招くと危惧されるが、公開している団体の考え方などを調査して公開の可能性を研究したい。

 

■朝日町に交番設置要望 ― 服部 富男議員(自民党県議団)
朝日、川越両町の人口増加や人口当たりの犯罪件数の増加などを踏まえ、朝日町への交番の設置を要望。岡県警本部長は「警察署でフォローするほうが効果的」とする一方で「地元の考えは尊重すべき」とも述べ、新設の必要性を検討する考えを示した。

【交番】
服部議員 以前は朝日、川越両町に駐在所があった。15年前に統合され、朝日川越交番になった。現在は人口が増え、両町は人口当たりの刑法犯の認知件数が非常に多い。朝日町内に交番を設置することについてどう考えるか。

岡県警本部長 業務効率を考えると、交番ではなく警察署の活動でフォローするほうが効果的。しかし、自治体の行政区域に交番を置いて、活動したいという地元の考えは尊重すべきと考える。自治体や住民と相談しながら、施設の新設の要否も含めて検討する。

【あすまいる】
服部議員 県は犬や猫の殺処分をなくすことを目指し、動物愛護の拠点として平成29年5月に「あすまいる」を開所した。まもなく三年がたつが、これまでの取り組み成果は。

福井医療保健部長 多くの命を新たな飼い主につなぐことができた。獣医師会などの協力を得ながらクラウドファンディングで飼い主のいない猫の不妊・去勢手術をしている。昨年度は1278匹に手術し、本年度は1300匹を見込んでいる。

 

■新型ウイルス検査態勢は ― 日沖 正信議員(新政みえ)
日沖議員は感染が広がる新型コロナウイルスの検査態勢を尋ねた。県当局は、医師が症状などを確認して必要と判断したケースは全て検査していると説明。「十分に対応できている」との認識を示した。

【ウイルス】
日沖議員 新型コロナウイルスの広がりが収まらない。4日もカンボジアから帰国した県在住の男性が感染した。PCR検査が長く待たされたり、してもらえなかったりしたとの報道があり、検査の実態に不安を抱いていると思う。

福井医療保健部長 主治医が症状を確認し、必要と判断すれば全て検査している。これまで88件の検査を県内で実施した。一日につき数件、多い日でも13件と十分に対応できている。450検体分の試薬を購入する費用を最終補正予算案に計上した。

【ギャンブル依存症】
日沖議員 ギャンブル依存症対策基本法は、都道府県に対策推進計画の策定を求めているが、策定しているのは愛媛だけ。県にIR(統合型リゾート)ができるとは思っていないが、ギャンブル依存症とIRは別の話。計画を作るのか。

福井部長 令和2年度に対策推進計画を策定する。部局横断的に取り組むために庁内連絡会議を設けているほか、今月には有識者会議も設置する。計画に基づき、医療体制の整備や予防教育、啓発など、依存症の本人や家族に寄り添った取り組みを進める。

 

<記者席 ― 「親善大使」要請も、壁高し>
○…濱井議員は、松阪市出身でスペインを拠点に活動する女子プロテニスプレーヤー、松葉海奈さんを県の「親善大使」にするよう強く要請。元中学教員の喜田議員の教え子だったことも持ち出した。

○…ただ、そもそも県に「親善大使」の制度はなく、村上雇用経済部長も「研究します」と難しそうな答弁。「礼儀正しく、笑顔がすてきな方」(濱井議員)というが、就任までのハードルは高そうだ。

○…松阪木綿のネクタイで臨んだ田中議員。2日の一般質問で木津議員が披露した駄じゃれを踏まえ「松阪木綿を身に付けていれば、もめごとも少ないのではないか」と売り込んだ。

○…前田農林水産部長に対して内水面漁協への補助金の算出根拠をただした際には「きょうはもめんように、これ以上は申し上げない」と手を引いた。木綿の効果はてきめんのようだ。