三重県議会代表質問 新型ウイルス 県が院内感染防止策

三重県議会2月定例月会議は25日、中村進一(新政みえ、7期、伊勢市選出)、小林正人(自民党県議団、4期、鈴鹿市)、倉本崇弘(草莽、2期、桑名市・桑名郡)、山本教和(自民党、9期、志摩市)の4議員が代表質問した。県は新型コロナウイルスの院内感染を防ぐため、一部の医療機関に医療従事者用のゴーグルや防護服の配布を進めていることを明らかにした。また、これまでに県内で38件の検査を実施し、県内で初めて感染が確認された外国籍の50代男性を除いて全て陰性だったと報告した。

 

■県民に不安、対応は ― 中村進一議員(新政みえ)
中村議員は新型コロナウイルスについて「収束が見えない」と指摘し、現状と対応を尋ねた。県当局は「患者の発生に備え、保健所や医療機関と連携して迅速かつ的確な治療に万全を期す」と答弁した。

【新型ウイルス】
中村議員 新型コロナウイルスは水際対策から市中対策に変化し、収束が見えない。県民生活に影響し、不安が高まっている。県の体制は整っているのか。現状と対応は。

知事 対策本部で情報共有を図り、患者発生後は対策チームを設置するなど機動的に対応している。治療の最前線となる医療機関に医療従事者の感染を防ぐゴーグルや防護服、空気清浄機などを整備する。

福井敏人医療保健部長 これまでに38件の検査を実施したが、1月30日に陽性が確認された患者を除いて全て陰性。県保健環境研究所は3台の検査機器を備え、一度に最大で36の検体を検査できる。

【財政健全化】
中村議員 県債管理基金への積み立て不足は153億円に膨れあがった。新聞では「禁じ手」や「ツケ払い」と言われているが、確かに後世への先送りになる。どう健全化するか。

紀平総務部長 積み立ての見送りで直ちに返済が困難になることはないが、将来に向けて積み立てる必要がある。負担を先送りしない持続可能な財政には至っておらず、健全化への道筋を着実に付けたい。

 

■空飛ぶクルマ今後は ― 小林 正人議員(自民党県議団)
空の移動革命の実現に向けて、昨年11月から今年1月にかけて県内で実施された実証実験の結果を来年度にどう生かすか尋ねた。県は法令上の課題や気象の影響、必要な届け出を調査し、飛行ルートを策定する考えを示した。

【空飛ぶクルマ】
小林議員 本年度にドローンを使用した実証実験や説明会が行われているが、どのような成果が得られたのか。実証実験を生かし、空の移動革命の推進にどのように取り組むのか。

村上雇用経済部長 実証実験では、速度や高度、風速が飛行や着陸に与える影響などの技術情報を収集できた。一方で、飛行に関する法令に加え、港湾や敷地管理者、地元など調整事項が想像以上に多岐にわたり、飛行までに長時間を費やした。本年度の成果と課題を踏まえ、来年度は実証実験の受け入れ体制を整える。

【県民参加型予算】
小林議員 県民参加型予算(みんつく予算)には200を超える事業が提案され、最終的には6つの事業が選ばれた。選ばれた事業以外の提案も、内容的に非常に良いものがたくさんあった。既存の事業の中でできるものは反映させるべき。

紀平総務部長 設定した予算総額の中で得票数の多かった6つの事業を採択した。採択に至らなかった提案についても県政の参考になる貴重なアイデアやヒントがあった。各部局が事業を実施する上で、可能な提案は積極的に取り入れる。

 

■知事任期の考え方は ― 倉本 崇弘議員(草莽)
首長の任期は「2期8年あるいは3期12年が適切と言われる」とし、鈴木知事に任期への考え方を尋ねた。鈴木知事は「最終的には有権者の判断。地域事情や政策課題もあり、一概に妥当な期数を申し上げるのは難しい」と述べた。

【コンプライアンス】
首長が長期にわたると、かじ取りが難しくなる。首長の任期は10年が節目。2期8年か3期12年が適切と言われる。米国の大統領は2期8年と規定される。県民の支持を考えると3期目は許容の範囲内だと思うが、どう考えるか。

鈴木知事 地域事情や政策課題もあり、一概に申し上げるのは難しい。期数が長くなることにはメリットとデメリットがある。全国の知事は3期が15人でボリュームゾーン。いずれにしても政治家は有権者の審判を受ける身。信任をいただけるよう全力を挙げる。

【ハコモノ】
倉本議員 財政難で禁止していたハコモノの建設について、新年度予算で一部を認めると聞いた。適切な時期に建て替えることも必要だが、何でも認めるわけにはいかず、明確な基準を作ることも難しい。柔軟な対応が求められる。

紀平総務部長 新たな建設の着手を見合わせているが、新年度予算は例外として「みえ森林・林業アカデミー」の実施設計と大台署の建て替えに向けた調査経費を計上する。今後も建設の抑制は堅持しつつ、極めて緊急性が高い場合は個別に判断したい。

 

■貝大量死への対応は ― 山本 教和議員(自民党)
志摩市の英虞湾などで昨夏に真珠養殖で使われるアコヤガイが大量死した問題で、県の対応を尋ねた。鈴木知事は「県水産振興事業団で複数種類の稚貝を今月から生産し、4月下旬頃から配布できる見込み」と説明した。

【真珠振興】
山本議員 アコヤガイの大量死に対する県の対応状況は。志摩市での開催が決まった来年の「太平洋・島サミット」を踏まえ、真珠の魅力発信にどう取り組むのか。

知事 水温や塩分データの情報を提供し、避寒時期を遅らせるなど生産現場で有効に活用してもらっている。真珠産業の振興に向け、伊勢志摩サミットのレガシーを生かしつつ、太平洋・島サミットの開催前後の機会を捉え、真珠の魅力発信に全力で取り組む。

【RDF発電所】
山本議員 RDF(ごみ固形燃料)焼却・発電事業の終了について伺いたい。山神企業庁長は発電所の稼働後まもなく企業庁に着任され、平成15年8月の貯蔵槽爆発事故も経験された。事業終了に向けて今後どのように取り組むのか。

山神企業庁長 RDF焼却・発電施設の撤去設計業務委託を進めている。令和2年6月末頃には撤去費の概算や工期が明らかになる見込み。地元住民に説明し、周辺環境や安全対策に配慮しながら施設を撤去する。事故の教訓と反省を心に刻み、安全を最優先に業務を着実に進めていく。

 

<記者席 ― 要らざる配慮>
○…表情を変えずに淡々と質問した倉本議員だが、発言は「首長は10年が節目だと思う」と、3期目の鈴木知事を前に強烈な表現。今期での引退を促しているとも取れる内容だ。

○…それも、不祥事で問われるコンプライアンスに絡めての発言。5期を務めた前桑名市長に職員の「要らざる配慮」が芽生えたとし、鈴木知事の3期目を「延長戦」とまで表現した。

○…際どい質問を聞いて驚きを隠さなかった議員らとは対照的に、鈴木知事の後段に控える幹部職員らは不自然すぎるぐらい表情を緩めなかった。「要らざる配慮」とは、このことか。