「私たちの食生活、次世代に」 県友の会津支部 宗教学者の櫻井氏講演 三重

【講演する櫻井氏=津市一身田上津部田で】

三重県職員OBの有志でつくる「三重県友の会津支部」は18日、津市一身田上津部田の県総合文化センターで講演会を開いた。皇學館大名誉教授で宗教学者の櫻井治男氏が会員ら約百人を前に「三重の祭・行事と『儀礼食』」と題して講演し、「私たちの食生活を次の世代につないでいきたい」と語った。

同支部は行政経験を生かして福祉の向上に貢献しようと活動。平成30年度末の会員は851人。県民の交流を深めるため、平成26年から「人生を楽しむための講演会」と銘打って毎年開催している。

櫻井氏は京都府生まれ。明治末期の神社整理と地域共同体との関わりの調査研究などに携わる。平成30年には、博物学や民俗学の優れた研究者を表彰する南方熊楠賞(和歌山県田辺市など主催)を受賞した。

講演で、櫻井氏は神社に供える「神饌」など儀礼食の多様性について、県内各地の事例を踏まえて紹介。「明治期に入るまでは基本的にお供えをした後、その場でみんなで分けて食べていた」と述べた。

現代は一人で食べる「孤食」や各自で好きなものを食べる「個食」が広まっていることを問題視。「食文化をもう一度見直す必要がある。ふるさとの味を祭りの食や神饌で学ぶことができると思う」と語った。

講演会の前には歌の集いがあり、津市内を中心に活動する鼻笛合奏団「アミーゴ」が出演。参加者は鼻笛のメロディーに合わせて、「リンゴの唄」や「上を向いて歩こう」などの昭和歌謡を歌って楽しんでいた。