<検証・三重県予算>膨らむ国体経費 県と市が〝バトル〟も

【三重とこわか国体の開催を知らせる横断幕=津市広明町で(平成31年1月8日撮影)】

「それは言うたらあかんと思いますに」「もう少し柔軟に話を聞いてもらいたい」。14日、津市内で開かれた「県と市町の地域づくり連携・協働協議会」。末松則子鈴鹿市長が憤りをあらわにした。

矛先は、県国体・全国障害者スポーツ大会局の辻日出夫局長。「市町の首長が県幹部に怒号を飛ばす光景は初めて見た。しかも公開の場で」と出席者。知事や副知事、市町長ら60人が出席していた。

末松市長は協議会で、三重とこわか国体・とこわか大会(全国障害者スポーツ大会)のリハーサル大会に関する出費について「当初の説明と補助率が違う」と訴え、県に補助金の見直しを求めていた。

末松市長を怒らせたのは「先催県に準じた補助率」などとする辻局長の説明。末松市長が「鈴鹿の負担は3億。津も4億3千万円」と述べたのに対し、辻局長が金額を修正したことも火に油を注いだようだ。

いくら国体で「市町との連携」が叫ばれても「金の話」になると、そうはいかないようだ。ある市の担当者は「末松市長は他の市町長を代弁した形。国体の費用を巡る協議は難航している」と明かす。

背景には、既に国体を巡って膨大な費用が支出されているという事情がある。県は当初、先催県の平均値として117億円という「一定の目安」を公表。これを基準に「削減を図る」と説明してきた。

だが、国体の関連費は膨らむ。既に支出した関連費は、令和2年度当初予算案を含めて約59億円。先催県と同じく80億円を開催年に支出すれば総額が約140億円となり、目安を大幅に超える。

県当局は「費用面では先催県と異なる事情がある」とし、東京五輪関連の建設ラッシュに伴う労務費の上昇や消費税率の引き上げを挙げる。「燃料高騰で送迎などの輸送費も上昇している」と明かす。

ただ、関連費はこれだけではない。県は国体に向けた県営施設の整備を「国体だけが目的ではない」として総額に含めていないことが判明。既に陸上競技場(伊勢市)の改修などに90億円を投じた。

一体、国体に総額でいくら掛かるのか。国体の担当者は「総額は試算していない」、財政課は「歳出の削減を図る」と説明する。しかし、庁内では「当初の目安は超える」との観測も漂い始めた。

「両大会によって得られるレガシーのためなら、相応の予算を費やす意義はある」と国体の担当者。一方で「金の話」となると、そう簡単はいかないのは市町長だけではないはず。県民の目は厳しい。