緩和ケア医、がんを生きる 尾鷲総合病院で大橋さん講演「出会いは生きがい」 三重

【講演する大橋さん=尾鷲市上野町の市立尾鷲総合病院で】

【尾鷲】がんを患いながら、緩和ケア医として勤務を続けている大橋洋平さん(56)の講演会が13日夜、三重県尾鷲市上野町の市立尾鷲総合病院であり、医師や看護師ら90人が耳を傾けた。

大橋さんは木曽岬町出身。三重大医学部を卒業し、平成元年から3年7月まで尾鷲総合病院で内科医として勤務。16年からJA厚生連海南病院の緩和ケア病棟で勤務している。

30年6月、10万人に1人の発症とされる希少がん「消化管間質腫瘍」が見つかり、手術。100㌔以上あった体重が60㌔台に減った。手術から10カ月後、肝臓への転移が分かった。

講演では「へこんだが、余命に意識を向けるのをやめ、(転移が分かった)4月8日から日数を足そうと思った」とし、「4月8日から現在まで生きられると思っていなかったので感謝している」と述べた。

また、「患者の苦しみに目を向け、話を聞くこと」と、傾聴の大切さを強調。「患者は聞いてもらうことが大きな力になり、生きがいが出てくる」と話した。

講演後、聴講者から「生きることをどう思うか」との質問があった。大橋さんは「緩和ケアの医者でありながらがんを生きる。そのことで出会った人たちがいる」と述べ、「出会えることはうれしく、生きがいとなっている」と話した。