養殖真珠の貝肉、堆肥に 三重県が新規事業

三重県は新年度、真珠養殖の過程で廃棄される貝肉を利用し、堆肥の生産に乗り出す。アコヤガイの大量死で経営不安のある真珠養殖業の打開策として、資源を大切にするブランド価値を形成し、他産地と差別化する狙い。令和2年度当初予算案に大量死の原因究明も含めて約270万円を計上した。

昨夏、志摩市の英虞湾などでアコヤガイの稚貝が大量死。県は3年度以降に、養殖業者の経営に影響が出る可能性があるとみている。環境への配慮や持続可能性を求める消費者の動向に注目し、資源を無駄にしない手法を導入することで県産真珠の価値を高める。

複数の若手業者の協力を得て、養殖の過程で廃棄するアコヤガイの貝肉で堆肥を生産。堆肥の成分を分析し、効果を検証する。県によると、貝肉の活用はミキモトなどがすでに取り入れている。県は小規模事業者にも資源循環の意識を広めたい考え。

大量死の原因究明についても、引き続き取り組む。県は昨年の調査で海水温の上昇やエサ不足が大量死に影響した可能性を指摘していた。新年度は県水産研究所がアコヤガイを複数の海域で試験的に飼育し、貝の状態を観察。感染試験などで原因を探る。