三重県 不正軽油業者らを告発 8600万円脱税容疑で

密造した軽油を販売し、軽油引取税を約8600万円脱税したとして、県は4日、地方税法違反の疑いで、名張市赤目町丈六、石油製品販売業・井上聡容疑者(50)ら3人と、奈良県五條市の石油製品加工会社を津地検に刑事告発した。県が軽油引取税の脱税事件で刑事告発をするのは3例目。脱税額は過去2番目に多いという。

他に同法違反の疑いで刑事告発されたのは、名張市南百合が丘、新聞勧誘員髙橋優(41)と兵庫県西宮市、石油製品加工業・御立政之(52)の2容疑者、御立容疑者が経営する奈良県五條市二見、石油製品販売会社「西部砿油」。髙橋容疑者は井上容疑者が経営するスタンドの元従業員だった。

県警は先月、同法違反の疑いで3容疑者を逮捕し、西部砿油を津地検に書類送検した。県が同事件を刑事告発したのは、地方税法違反事件で地検が容疑者を起訴するには地方税を徴収する県の告発が必要なため。

県などによると、井上、髙橋両容疑者は平成28年6月から30年11月までの間、軽油引取税がかからない灯油を混ぜ合わせた不正軽油約269万5千リットルを販売し、同税計8650万円を脱税したとされる。県警の逮捕容疑では脱税額を約1億円としていたが、精査した結果、約8600万円になった。

軽油引取税は1リットルあたり32・1円。灯油は軽油と同じく、バスやトラックなどの燃料に使えるという。井上容疑者らは、軽油引取税がかからない灯油を軽油に混ぜ合わせることで元の軽油の量を水増しし、利益を上げようとしたとみられる。

御立容疑者は30年3月から同年11月までの間、不正軽油の原材料を井上容疑者に提供したとされる。提供したのは、軽油と灯油を混ぜ合わせた際、それが合成軽油だと識別するための識別材「クマリン」を除いた灯油。クマリンの除去作業は西部砿油の業務として行われた。