新型ウイルス 患者、津高速船を利用 三重県が行動歴を公表

【記者会見で、患者の行動歴を発表する田辺医療政策総括監(中央)ら=三重県庁で】

三重県は4日、県内で初めて新型コロナウイルスの感染が確認された外国籍の50代男性患者について、行動歴を発表した。中部国際空港(愛知県常滑市)や高速船を利用して先月13日に中国湖北省武漢市から県内に帰宅していた。県は「風評被害を招く恐れがある」などとして行動歴を公表していなかったが、県民からの問い合わせが相次いだことなどを受けて「独自の判断」で公表を決めた。

県によると、男性は昨年12月24日から今年1月13日まで、帰省先の武漢市に滞在していた。同日は中部国際空港から定期船で津市の船着き場に移動した後、自家用車で自宅に帰ったという。

帰宅後は24日まで自宅と勤務先を自家用車で往復したほか、19日は食材を買いに行くため、自家用車で短時間の外出をしていた。外出の際はマスクを着用し、公共交通機関は利用していなかった。

田辺正樹医療政策総括監は4日の記者会見で、定期船の同乗者に感染が広がった可能性について、職場の濃厚接触者3人の感染が確認されていないことから「感染の心配には及ばない」との考えを示した。

一方、県は男性患者が居住する地域や定期船を利用した時間帯、食材を購入した店舗などを明らかにしていない。田辺総括監は「いずれも不特定多数とは接触していないため、理解いただきたい」と述べた。

県は男性患者の感染を発表した先月30日、帰国後の行動歴は「個人情報に当たる」として公表しなかった。一方、新型コロナウイルスに関する県への問い合わせは、患者の居住地や行動歴が8割を占めた。

鈴木英敬知事は4日のぶら下がり会見で、行動歴の公表を決めた理由について「不安解消の観点から、県民に自主的に対策を取ってもらうために必要な情報は積極的に公表すべきだと考えた」と述べた。

また、公表に当たっては「関係者との連携や確認を取り、感染の拡大防止や県民への混乱という観点から過剰に影響を及ぼさないよう配慮した」と説明。「患者への診療の状況も勘案した」と述べた。