防災対策など意見交換 三重県知事と宮城県知事、伊勢で懇談

【防災対策について鈴木知事(右)と意見交換する村井知事=伊勢市宇治中之切町で】

宮城県の村井嘉浩知事が3日、来県し、三重県伊勢市宇治中之切町の神宮会館で鈴木英敬知事と懇談した。現在の災害復旧制度は災害前の状態に戻す原形復旧が基本で、次の災害に備えた改良復旧のあり方が明確でないため、災害対策基本法の見直しを国に働き掛ける必要があるとの認識を共有した。

両知事は共通課題の解決を図ろうと平成27年度以降、2年に一度懇談しており、今回で3回目。村井知事は懇談会の前に、GAP(農業生産工程管理)の認証を取得した松阪市の障害者就労施設「八重田ファーム」と県立明野高校(伊勢市)を視察した。

懇談会では、防災・減災対策▽移住・定住▽障害者が農業分野で活躍する「農福連携」―の3つをテーマに意見交換。両知事が互いの取り組みを紹介したほか、新型コロナウイルスの感染者が三重県内で初めて確認されたことを受けて情報共有した。

防災・減災対策では、村井知事が昨年10月の台風19号で宮城県内の18河川が決壊した要因を「内水から水がはけず、内水の水が川に流れ込み、堤防が決壊した」と説明。「非常に珍しいが宮城県の地形は三重県と似ているため、参考にしてもらいたい」と述べた。

鈴木知事は台風19号の発災後に宮城県へ派遣した職員からの報告を取り上げ「一元的な体制整備が素晴らしかったと聞く」と紹介。「災害のイメージが分からない職員がいる。宮城県職員に講演してもらい、想像する大切さを教えていただいた」と感謝した。

その上で、鈴木知事は「災害対策基本法で、今後の災害に備えた改良復旧がきちんと書かれていないので、明確にする必要がある」と指摘。村井知事は「全く同じ意見。ぜひ一緒になって法改正を全国知事会などに言い、変えられるようにしたい」と応じた。

農福連携では、鈴木知事が福祉事業所とのマッチングや販路の拡大を図った結果、農業分野で働く障害者が平成23―30年の7年間で3倍に増えたと紹介。今後の課題として「もっと特別支援学校の職場実習で農業が増えるといいと考えている」と述べた。

村井知事は視察した八重田ファームについて「障害者と健常者に差を付けず、どんどん任せるという姿勢が良い。仲間として仕事をすることが働いている人の生きがいにつながっていると感じた」と評価。「宮城県も三重県に追い付くように頑張りたい」と語った。