島サミット、志摩に決定 来年に三重県内初の開催

【太平洋・島サミットの県内開催決定を受け、記者団の取材に応じる鈴木知事=伊勢市宇治中之切町で】

日本と太平洋島しょ国の首脳らが環境問題などについて話し合う「太平洋・島サミット」について、菅義偉官房長官は3日の記者会見で、来年の開催地を志摩市に決めたと発表した。県内開催は初めて。各国首脳が県内に集う機会は、平成28年の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)以来となる。誘致活動を進めてきた鈴木英敬知事は「オール三重で取り組んだ結果が結実した」と述べた。

太平洋・島サミットは、政府が太平洋島しょ国との関係強化などを目的に、首脳らを招いて3年に一度のペースで開催している。これまで東京、宮崎、沖縄、北海道、福島で開かれ、島国が課題とする自然災害や気候変動などへの対応を巡って議論してきた。

菅官房長官は会見で「三重県は漁業資源の持続可能な利用や防災対策といった点で、太平洋の島しょ国と共通の課題解決に取り組んでいる。また、高校生の交流は環境分野での民間協力などを通じて、太平洋島しょ国とのつながりを有している」と述べた。

政府は来年の開催地を公募し、三重県や静岡市など複数の自治体から誘致の申請を受けていた。申請のあった自治体を現地調査するなどして開催地を決定。伊勢志摩サミットで警備などの開催準備に当たった県の実績などを評価したとみられる。

来年の太平洋・島サミットは、日本やオーストラリア、ニュージーランド、ソロモン諸島、パプアニューギニア、パラオといった19の国と地域から、首脳や配偶者、閣僚ら約200人が出席する。政府は今後、詳細な開催時期や主会場の選定に入る。

県は昨年9月、知名度の向上などを目的に太平洋・島サミットの誘致を表明。鈴木英敬知事と竹内千尋志摩市長が外務省を訪れるなどして県内開催を要望していた。今後は政府の意向を踏まえ、首脳や配偶者の周遊先などを提案していくという。

県内開催の知らせを受けた鈴木英敬知事は、伊勢市内で記者団に「オール三重で誘致に向けて取り組んできた結果が結実し、うれしく思う」と喜びを語った上で「安全で成功裏に開催できるよう、国や関係機関の皆さんと連携して取り組みたい」と述べた。

県内が開催地に選ばれた理由については「行政だけでなく、地域や事業者、警備も含めて伊勢志摩サミットを安全かつ成功裏に終えた実績が大きい」と説明。県内の漁業者の環境保全に向けた取り組みや、来年で25周年を迎えるパラオとの交流なども挙げた。

 

■市の魅力、世界に発信 ― 竹内千尋志摩市長の話
本サミットが開催されます2021年はG7伊勢志摩サミットの開催から5周年、また太平洋島嶼(とうしょ)国の一つであり、市内の県立水産高校が毎年実習を行っているパラオ共和国と県が友好提携を締結してから25周年の記念すべき年でもあります。

志摩市は伊勢志摩国立公園に属し、深い入り江と大小多数の島々が作り出す英虞湾をはじめ美しい里山里海の自然景観に加え、真珠の養殖いかだ、海女の姿や伊勢神宮の悠久の歴史などを有する人文的景観があり、まさに自然と人間とが持続的に共生してきた地域です。この機会にSDGs未来都市として、人と自然との持続可能な暮らしや豊かな食文化などの魅力を全世界に発信していきたいと思います。