鳥羽商船が最優秀と優秀賞の同時受賞 ミカン農園の自動散水とミカンづくり支援アプリ

【最優秀と優秀の同時受賞を喜ぶ鳥羽商船高専の学生たち=鳥羽市役所で】

 

【鳥羽】「第8回高校・高専 気象観測機器コンテスト」で、鳥羽市の鳥羽商船高専制御情報工学科の学生チームが開発したミカン農園の自動散水システム「ひやけ果ORANGE(おらんじぇ)」が全国トップの最優秀賞を受賞。同高専の別のチームが開発したスマートフォンアプリ「MIKAN」は2位の優秀賞となり、ダブル受賞を果たした。

コンテストは、一般財団法人WNI気象文化創造センターが主催。書類審査を通過した全国の31チームが昨年12月の本選でプレゼンテーションを行い、実運用での成果や実用性が評価された。同校が最優秀を受賞するのは2年ぶり3回目。

最優秀のひやけ果ORANGEは、リーダーの4年生川添大和さん(20)ら4、5年生4人が開発した。高温などが原因で早生(わせ)ミカンの果皮が変色する「日焼け果」を防止する自動散水システム。農園に設置した気象観測器で温度や湿度、日射量などを観測し、一定の気象条件を超えると制御装置が作動しスプリンクラーで散水する。散水によってミカンの表面温度を下げ、日焼け果の発生を防ぐという。日焼け果は、商品にならず廃棄されるが、システム導入によって生産を向上させ農業者の労働時間の短縮につながる。昨年9月に御浜町の農園で実証実験に取り組み、すでに導入、運用している。

優秀賞のMIKANは、糖度の高いミカンづくりをサポートする新規就農者向けのアプリで、3、4年生の5人が開発した。スマートフォンで撮影したミカンの樹木の画像から、AI(人工知能)が葉の状態などを解析して水分量を推定し、甘い果実を作る決め手となる「水分ストレス」値を判定。判定結果から農業者が水分の過不足を判断できる。両チームは、県内の産地から相談を受けて開発に着手し、約一年かけ実用化した。

学生らが31日、市役所で中村欣一郎市長に受賞を報告した。リーダーの川添さんは「チームみんなの力で受賞できうれしい。日焼け果で破棄されるミカンを少しでも減らしたい。システムは、リンゴやナスなどの作物でも運用でき、散水のほか肥料散布などにも応用できる。改良して、農作業の省力化や安定生産に貢献できれば」と話した。