対応に追われる県、新型ウイルスの感染確認で

【相談に対応する職員ら=県庁で】

県は31日、県内で初めて新型コロナウイルスの感染が確認された外国籍の50代男性患者の濃厚接触者として、三人を特定したと発表した。三人とも肺炎や発熱の症状はなく、県は健康状態を聞き取るなどして対応している。患者は31日現在も入院中。県には患者の所在地や行動歴の詳細を尋ねる電話が相次いでいるが、県は「風評被害を招く恐れがある」などとして公表していない。

県によると、濃厚接触者の三人は患者の職場仲間。患者と二メートル以内に近づき、対面で話していたことなどを踏まえて濃厚接触者と特定した。うち一人に症状はなく、二人にせきなどの症状があるという。

県は三人のほかに、濃厚接触者がいないかを調べる方針。鈴木英敬知事は同日夕の対策本部員会議で「濃厚接触者に対し、感染拡大を防止するための対応を徹底するように」と担当幹部らに指示した。

県の相談窓口=電話059(224)2339=には31日、午後5時までに前日の約七倍に当たる444件の相談が寄せられた。県職員らが午前9時の受け付け開始から相談への対応に追われた。

相談の内容は、予防の方法に関する問い合わせや体調不良を心配する声などがある一方で「患者の居住地や行動歴について問い合わせる電話が八割を占めている」(薬務感染症対策課)という。

ただ、県は患者の居住地を「県内」と発表するにとどめている。中国・武漢市から帰国したルートや帰国後に訪れた施設も「感染を拡大させるような状況は確認されていない」として明らかにしていない。

県が31日夕に開いた会見でも、記者から詳細な情報提供を求める声が相次いだが、担当者は「本人の同意が取れていない」「詳細を聞いていない」との返答を繰り返し、公表を拒んだ。

詳細を公表しない県の姿勢は、感染の確認を発表した30日の資料提供でも垣間見えた。資料には患者について「中国籍」と記載していたが、後に「外国籍」と訂正。テレビなどで「中国人」と報道された。

薬務感染症対策課は「県民の安全と安心を確保するため、公表のメリットやデメリットを総合的に判断した結果。感染の状況を心配する気持ちも分かるが、理解してもらいたい」と話している。

また、県は31日、中小企業向けの相談窓口=電話059(224)2447=を開設した。新型ウイルスによる経営への影響や資金繰りの相談を受け付けている。平日の午前8時半―午後5時15分まで。