
【鈴鹿】三重県鈴鹿市は28日、暴言などのモラルハラスメントを理由に、夫への住民票交付などが制限されている女性の戸籍の附票を誤って夫に交付したと発表した。附票には女性の住所が記載されているが、現在のところ被害は確認されていないという。
市によると女性は昨年12月24日に鈴鹿市から転出。県外の市役所で転入届出をした時に、夫のモラハラを理由に「住民基本台帳における支援措置申出書」を提出。県外市役所から女性の本籍地の同市に、女性の夫に異動先住所を明かさないよう求める電話連絡があったが、1月7日に同市戸籍住民課に夫が訪れ、子どもを含めた全員の戸籍の附票の請求で交付した。
14日、女性が「夫が戸籍の附票を持っており、鈴鹿市が発行したのではないか」と転居先の市役所に調査を依頼。転居先市役所からの連絡で市が交付したことが判明した。
その後の調査で、転居時に転居先市役所から仮止め依頼の電話を受けた同課窓口グループ支援措置担当の女性職員が、住民基本台帳システムの発行不能処理のみ行い、戸籍の附票システムの発行不能処理を怠ったことが原因と分かった。市は両システムの処理を指導している。
女性職員は「いつもは気をつけているが、その時は忘れてしまった」と話しているという。
市は再発防止策として、同支援措置申し出者161件、366人の処理を再確認したほか、複数の担当者で確認することを決めた。システム改修についても検討している。
末松則子市長は「支援措置申出者の方に大きなご心労を与えたことを心からおわび申し上げる。今後は再発防止に全力を挙げて取り組む」とコメント。市は担当職員への処分を検討している。