
【熊野】学童保育などを運営するNPO法人あそぼらいつ(三重県熊野市井戸町)と「ちょこれーと工房瀧のしずく」(大阪府泉佐野市)は、熊野市特産の香酸かんきつ「新姫(にいひめ)」を丸ごと使った「新姫ちょこれーと」を共同開発した。県熊野庁舎の売店や就労継続支援A・B多機能型事業所「にじいろ」(熊野市井戸町)などで今月上旬から900個の数量限定で販売している。
同法人の農場(同市金山町)では職員や学童保育に通う子どもたちが、卵やコメを生産したり新姫を栽培したりしている。
2年前、同法人の黒瀧一輝理事長(37)が「新姫を使ってチョコレートを作れないか」と、叔父の黒瀧博さん(65)に相談。博さんは食品メーカーのチョコレート部門で37年間働き、定年退職後に同工房を立ち上げていた。相談を受けた同市出身の博さんは「チョコを通して新姫の名前が全国に知れ渡るようにお手伝いしたい」と快諾した。
試行錯誤を繰り返し、乾燥して細かく砕いた新姫とクーベルチュールというチョコレートが合うことが分かった。博さんは「新姫の苦みを抑え、かんきつの風味を残すことが一番苦労した」と語り、「新姫の特徴を生かしたチョコレートになった」と自信をのぞかせる。
黒瀧理事長は「いろんな人の手を借りながら、地域で生きていけるということを、チョコレートの販売を通して子どもたちに感じてもらいたい」と話す。
1箱500円。電話での注文も受け付けている。収益は、地域の子どもたちの活動資金に充てたりチャイルドラインに寄付したりする。
問い合わせはNPO法人あそぼらいつ=電話0597(89)5607=へ。