三重県 ハコモノ禁止令を緩和へ 老朽化施設建て替え認める

【「ハコモノ禁止令」の緩和を決めた県庁=津市広明町で】

三重県が県有施設の新築や建て替えを禁止する、いわゆる「ハコモノ禁止令」を緩和する方針を固めたことが分かった。財政難への対応として平成27年度から発令してきたが、財政に一定の改善がみられることから、老朽化が深刻な施設に限って建て替えを認めることにした。ただ、財政難は今後も続く見通しで、県は「施設の建設費も含め、引き続き歳出の抑制に努める」としている。

平成27年度に「かつてない財政難」に直面した県は、県有施設の新築や建て替えを全面的に見合わせるよう全庁に通知。以降は小規模なものを除いて県有施設の建設に関連する予算の要求を認めなかった。

一方、本年度末の県債残高が28年度に比べて300億円ほど減少するなど財政は改善しつつある。このため、県は「歳出に一定の余裕が生まれた」とし、ハコモノ禁止令を限定的に解除することにした。

県は昨年10月に発表した来年度当初予算案の調製方針に、従来通り「建て替えを含む新たな着手を当面は見合わせる」と記載しつつも「極めて緊急度の高い場合は要求できる」と、ただし書きを加えた。

来年度当初予算案には県有施設の建設関連費も計上される見通し。農林水産部は既存施設を間借りしている「みえ森林・林業アカデミー」の新築を要求。県警は老朽化した大台署の建て替えを求めている。

ただ、県は借金返済に向けた100億円の積み立てを見送っているほか、社会保障関係経費も増加しており、財政難は続く見通し。県は緊急性の低い施設の建て替えは控えるなど、引き続き抑制を図る。

庁内からは「施設の建て替えは財政の改善を示す象徴的な事例だろう」との声がある。一方、ある県幹部は取材に「禁止令を完全に解除できるような財政状況には至っていない。いわば限定解除だ」と話した。