空き家撤去で行政代執行 津市内で初 瓦落ち40年放置 三重

【空き家に仮囲いを設置する業者=津市美里町五百野で】

【津】三重県津市は20日、同市美里町五百野に放置されている空き家について、倒壊の恐れがあるとして空き家対策特別措置法に基づく行政代執行に踏み切った。21日から解体工事に取りかかる。市内で行政代執行による空き家の解体は初めて。県内では名張市や菰野町ですでに実施されている。

荒廃した空き家の増加を受け、空家特措法が平成27年5月下旬に全面施行された。自治体は同法に基づき倒壊の恐れや衛生上の問題などがある物件を「特定空き家」に認定。撤去や修繕を助言・指導、勧告、命令ができ、従わなければ市区町村長が代執行して強制的に撤去できる。

市などによると、解体される空き家は木製下屋付きの木造平屋建てで、延べ床面積は177平方メートル。屋根や壁に穴が開き、屋根の上でアンテナが落ち掛かっている。少なくとも40年は放置されていた。

市は平成27年5月に住民から相談を受け、同年7月に空家特措法に基づく「特定空き家」に認定。所有者7人に解体などを求めて命令を出したが、期限の昨年8月26日までに改善されなかったため、行政代執行を決めた。

市建設指導課の丹羽啓一郎空家等対策担当副参事が午前10時に行政代執行を宣言。業者が空き家の仮囲いに着手した。解体は2月末までに完了する予定。解体撤去費約260万円は所有者に請求する。

作業を見守っていた近隣に住む男性は「数日前にも瓦が何枚か落ちてきた。空き家が面している道路は、子どもたちが通学路として使っているので心配だった。これで一安心できる」と胸をなで下ろしていた。

市によると、ほかに解体などの改善措置が必要な特定空き家は市内に149件ある。丹羽担当副参事は「所有者には空き家をしっかり管理し、解体するなどして危険のないように対応してほしい」と語った。

県内では、平成30年3月に菰野町が初めて空家特措法に基づく行政代執行に踏み切り、所有者が撤去に応じなかった空き家を解体。名張市も同年7―8月に行政代執行で空き家を取り壊した。