
【鈴鹿】万葉集研究の基礎を築いた鈴鹿市出身の国文学者佐佐木信綱(一八七二―一九六三年)の生涯を紹介する特別展「信綱と万葉集」がこのほど、同市国分町の同市考古博物館特別展示室で始まった。2月24日まで。
例年特別展は同市石薬師町の佐佐木信綱記念館で実施しているが、現在展示室のみ閉鎖中で使用できないため、今年は同博物館での展示となった。
「校本万葉集」の編さんや万葉集の外国語訳に関する資料を中心に、約70点を展示。
全巻展示は平成23年度の特別展以降二回目となる「日本歌学全書」(明治23―24年)、「続日本歌学全書」(明治31―33年)の計24巻をはじめ、20巻全てそろった古写本の中でも最大かつ最古という「西本願寺本万葉集」を信綱が当時の技術で書き写した昭和八年の複製など、貴重な史料の数々が並ぶ。先着500人に展示内容を解説した図録を無料配布する。
同市学芸員の畠一穂さん(二四)は「歌人として知られる信綱だけでなく、国文学者として生涯をかけた信綱の姿を知ってもらえれば」と話していた。
関連イベントとして1月26日、2月22日の各午前10時半から畠学芸員による出展品の解説がある。40分程度。
問い合わせは市文化財課=電話059(382)9031=へ。