「令和2年もオール三重で」 伊勢新聞政経懇話会、鈴木知事が講演

【伊勢新聞政経懇話会新春特別例会で講演する鈴木知事=津市大門で】

鈴木英敬知事は17日、津市大門の都シティ津で開かれた伊勢新聞政経懇話会の新春特別例会で「地方創生を新たなステージへ~『オール三重』で果敢にトライ~」と題して講演した。今年の東京オリンピック・パラリンピック大会の終了後も、国際博覧会(大阪・関西万博)や県政150周年、伊勢神宮の式年遷宮など、リニア中央新幹線の名古屋―大阪間が開業するまで「県にとってチャンスが続く」と強調。「各界の皆さんに力添えいただき、令和二年もオール三重で素晴らしい年にしたい」と語った。

鈴木知事は昨年の国際情勢を「米中や朝鮮半島、香港、EUなどの混沌こんとんとした状況が顕著となった」と振り返り、国内では「吉田沙保里さんらレジェンドが引退する一方で、渋野日向子さんらニュースターが登場した年でもあった」と解説した。

昨年の県内については、上皇ご夫妻と天皇皇后両陛下が伊勢神宮を参拝されたことや新名神の県内区間が全通したことへの喜びを語る一方、豪雨と台風による被害やアコヤガイのへい死などによって「不安や緊張感にさいなまれた年でもあった」と語った。

来年の三重とこわか国体・とこわか大会(全国障害者スポーツ大会)や令和七年の大阪・関西万博、同八年の県政150周年、同九年のリニア品川―名古屋間開業、同15年の式年遷宮などを取り上げて「県にとってチャンスが続く」と紹介した。

その上で、リニア名古屋―大阪間の開業が予定される同19年までの「山を大事にしたい」とし、式年遷宮に向けて伊勢神宮周辺の道路整備や無電柱化を加速させると説明。「県の情報発信や準備が大事。皆さんと相談しながらオール三重で取り組む」と語った。

防災対策では「今後も大きな災害が起こりうる。備えが重要」と指摘。令和二年度中にも改正する防災対策推進条例に日常的な防災や避難態勢に関する規程を盛り込むほか、堤防の決壊を防ぐために河川の掘削や雑木の除去を加速させる考えを示した。

小泉進次郎環境相が育児休業の取得を表明したことにも言及。「賛否両論があるかも知れないが、閣僚による史上初の育休だから批判があるのは当たり前」とした上で「日本の政治や制度、風土を変える覚悟でやってもらえると思う」と評価した。

東京オリンピック・パラリンピックについては「リオデジャネイロ五輪では12人が県ゆかりの選手として出場した。それを上回る数の人に出場してほしい」と期待。「選手村で県産食材が使われる可能性も高まっている。何とか実現したい」と語った。

また、兵庫県出身の鈴木知事は、発生から25年となった阪神・淡路大震災を「母とは電話がつながらず、二日後ぐらいに連絡があった。地震の脅威を見せつけられた」などと振り返った上で「私にとって防災減災対策の原点。震災を教訓に取り組む」と述べた。

このほか、中小企業と小規模企業への支援や脱炭素社会の実現に向けた取り組み、食品ロスの削減にも注力すると説明。「いずれも県行政だけではできない。皆さんに力添えいただき、オール三重で令和二年も素晴らしい年にしたい」と締めくくった。

この日の政経懇話会には県内の政財界などから約150人が出席した。講演の後は賀詞交歓会を開き、伊勢新聞社の小林千三社長や中嶋年規県議会議長があいさつした後、鈴木知事らが壇上で鏡開き。前葉泰幸津市長の音頭で乾杯し、新年の門出を祝った。

【鏡開きで新年を祝う出席者ら=津市大門で】