大腸がんリスク診断開発へ 三重大など世界初 「潰瘍性大腸炎」患者対象に

【開発した診断法について説明する問山准教授=三重大で】

三重大(三重県津市)は14日、難病「潰瘍性大腸炎」の患者が大腸がんになるリスクを診断する方法を製薬会社「EAファーマ」(東京)と共同開発していると発表した。潰瘍性大腸炎に発生する大腸がんに特化した診断法は世界初。直腸の粘膜組織を採取し、遺伝子を調べる。内視鏡検査に比べて患者の身体的負担が軽減される。実用化に向けて臨床研究を進め、4月以降に診断精度を評価する。

同大によると、潰瘍性大腸炎は大腸の粘膜がただれ、炎症が続く難病。国内に患者は20万人ほどいる。大腸がんになる可能性が高いため、発症後8年以上経過した患者には年一回の内視鏡検査が推奨されるが、多くの出血を伴うなど患者の身体的負担が大きい。

同大は、遺伝子の働きを抑制する「DNAメチル化」の特性に着目。DNAのメチル化はがんなどを発見する目印として、近年期待されている。DNAメチル化の割合を指標にし、潰瘍性大腸炎の患者が大腸がんになるリスクを判定する診断法の開発に取り組む。

この診断法では、肛門から直腸の粘膜組織を1ミリほど採取するだけで済み、患者の身体的負担は少ない。リスクが高いと診断された場合は内視鏡検査を受ける。保険診療の適用されない国では内視鏡検査は高額なため、確立されれば費用を大幅に抑えられる。

三重大で記者会見した同大大学院医学系研究科の問山裕二准教授(大腸外科)は「内視鏡でがんが見つかる確率は低く、必要な患者だけにもう少し絞れないだろうかという考えが背景にあった」と説明。「大変な検査を省きながらも、がんをきちんと同定できる検査方法を導入したい」と語った。