令和4年度から成人年齢引き下げ 迫られる自治体の選択 三重

【12日に開かれた津市の成人式=市産業・スポーツセンター「サオリーナ」で】

成人式は18歳か、20歳か―。令和4年度から成人年齢が18歳に引き下げられるのに伴い、三重県内の自治体が選択を迫られている。8市町は従来同様に20歳で開くことを決め、伊賀市だけが18歳での実施を選択した。4町は本紙の取材に「今後、公表する」と回答し、残りの16市町は「検討中」している。

県内で先陣を切って対応を表明したのは津市。前葉泰幸市長が昨年11月の定例記者会見で、令和5年1月以降も20歳を対象にすると明らかにした。名称は「20歳のつどい」に変更する。

その後、他の市町も対応を表明。ほとんどの市町は20歳での実施を選んだ。「18歳は進路選択の大事な時期と重なる」「進学や就職で地元を出た20歳に帰省してもらえる」などを理由に挙げている。

今のところ、18歳での開催を決めたのは伊賀市だけ。岡本栄市長は12月の市議会本会議で、成人式について「社会が18歳を成人として扱うことを確認する場でなくてはならない」との考えを示した。

18歳での実施は全国的にも珍しい。年齢を引き下げた初年度は18―20歳が一気に成人となるため、会場の確保が必要。18歳は受験シーズンと重なることから、開催時期の調整も課題となる。

4町は方針を決定しているものの「成人式の開催時期に当たり、今年の新成人の混乱を避けるため」などの理由で公表を先延ばしにしている。ほとんどは2月以降に発行される自治体の広報紙で対応を表明する。

残りの16市町は慎重だ。一部の自治体は取材に「20歳で実施する方向で検討を進めている」としつつ、県内市町の選択を注視。他の自治体の動向を確認しながら、新年度中に方針を固めるとみられる。

方針を示している自治体の多くが20歳での開催を選ぶ中、自治体を悩ませるのはどうやって18歳に“成人”としての自覚を促すかだ。当然ながら、成人式に出席することだけが新成人の役割ではない。

民法の改正により令和4年度以降、18歳で親の同意なしに携帯電話の契約やクレジットカードの作成が可能になる。十年有効のパスポートを取得でき、公認会計士や司法書士などの職業にも就ける。

元来、成人式は新成人が大人になったことを自覚するための場だった。20歳での実施を決めた前葉津市長は「主権者としての自覚や消費者教育が必要」と述べ、高校などの教育機関にその役割を委ねる。

成人年齢の引き下げは2年後とはいえ、新成人や保護者は成人式の1―2年ほど前から準備を始める。県内の残りの自治体が何歳を対象にするか、いつ対応方針を公表するかに注目が集まる。