伝統行事「息子ノ酒」で水難遭わぬように 紀北町長島、旧家・湊家の当主と男児が杯交わす

【13代当主湊さん(右)と杯を交わす親子ら=紀北町長島で】

【北牟婁郡】漁業が盛んな紀北町長島で11日、水難事故に遭わないように地元の旧家・湊家の当主と杯を交わす伝統行事「息子ノ酒」が行われ、親子8組が参加した。

湊家の初代当主湊治郎左衛門が江戸時代初期、悪さをしていたカッパを懲らしめたとされ、「湊家の一族は水難事故に遭わないようにする」とカッパが初代当主に約束したと言い伝えられる。地元では男児が生まれると、水難事故に遭わないように願って湊家と親子の杯を交わす儀式が続いている。

この日、13代当主の湊章男(ふみお)さん(87)と、地元漁師の息子ら8人が杯を交わし、湊家と縁がつながった証に日の丸の扇子を受け取った。

カナダのバンクーバーに住む根本桃子さん(29)は、出身地の津市に帰省しており、8カ月の次男友寄(ともより)ちゃんらと訪れた。根本さんは「紀北町出身の母に聞いて、参加したいと思った。優しい子に育ってほしい」と語った。

章男さんは来年を最後に、長男で名古屋市の会社員浩章さん(58)に儀式を引き継ぐ予定という。また儀式には章男さんの孫で同市の大学生翔平さん(19)が初めて見学に訪れ、「長年続いているので、引き継げたらいい」と話していた。