対応遅れに不信感 紀北町・係長が横領、被害金額など残る疑問 三重

【係長の横領が発覚した紀北町東長島の町役場本庁舎】

三重県紀北町の40代の男性係長が町職員組合の共済担当という立場を利用し、長年にわたって組合の共済掛け金などを横領していた事件。係長は239万円を返済したとして停職6月の懲戒処分となった。27年に横領が発覚してから処分されるまでに期間があり、複数の関係者は町や組合の対応に不信感を抱いている。

町によると、係長は平成14年から28年までの間、組合で団体生命保険を担当。23―28年にわたって239万6000円を横領していた。カードローンの返済に充てていたという。

職員組合は管理職を除き、任意で入ることができる。現在組合員は112人おり、うち財政部長、団体生命保険担当、自動車共済担当、労金担当の4人がそれぞれ通帳を管理しているという。財政部長は2年間の任期があるが、他の担当者の任期は特に決まっていないという。

町や関係者によると、生命保険や個人年金保険などの加入者リストを係長が作成し、総務課の担当者へ提出。担当者がリストを見た上で加入者の給与から掛け金を天引きし、職員が管理している職員組合保険用口座へ入金する。係長は担当者に掛け金を上乗せして報告し、上乗せ分を横領していたとされる。このほか、還付金も横領していた。

複数の関係者によると、係長は15年から28年までの間、組合の金を横領していると認めており、町が発表した239万円以上の金を横領していたとされる。

横領の発覚から現在までの間、係長を処分しなかった理由について、町は「組合から報告がなかったため」とする。また、係長が23年度以前に横領していたかどうかについて「組合から報告を受けていないので把握していない。町は調査機関ではないので組合の内部を調べることはできない」としている。

今年10月29日、組合が町に報告し、町が聞き取り調査をした。発覚からすぐに町に報告しなかった理由について、組合の顧問弁護士は取材に「係長に被害額を返済させることを優先したため」と説明する。

被害者の1人は取材に「明らかになっていない金額はまだあるはず。全部明らかにしてほしい」と訴えている。