食産業の将来像探る 人材育成へ、学生交え討論 津でシンポ 三重

【シンポジウムで、意見を述べるパネリストら=アスト津で】

三重県などは16日、津市羽所町のアスト津で、食に関連する産業の人材育成をテーマにシンポジウムを開いた。学生を交えた公開討論会や基調講演を通じ、県内の食関連産業における課題や将来像を探った。

産学官で食に関連する産業の人材育成を目指す「みえ食の“人財”育成プラットフォーム」を来年3月に設立するのを前に、会員を募ろうと開催。食品メーカーや飲食業の関係者ら約150人が参加した。

冒頭で、鈴木英敬知事は「県にとって食に関連する産業は極めて重要で、多くの人が働いている。県内から人材がたくさん輩出され、県内で働いてくれるような食の産業になるようにしたい」とあいさつを述べた。

公開討論会では、県内の学生2人が企業の代表者らに質問。三重調理専門学校1年の東尾皐平さんは「食関連産業、特に飲食業は地位が低くみられる傾向にあると感じるが、どう考えているのか」と尋ねた。

割烹西むらの西村雅也店主は「将来の目標をしっかり持てば、こんなにやりがいのある仕事はない。一人一人が仕事にこだわることで、食の世界の社会的な地位向上につながると考えている」と語った。

ホテル運営会社「グリーンズ」の榊枝誠常務は「大事なのは(従業員に)自分たちの仕事は人々を幸せにしていると知ってもらうこと。AI(人工知能)には取って代わられないと実感してもらう」と答えた。

三重大生物資源学部3年の森真実さんは「就職活動では事業内容はもちろん、女性社員の割合や研修制度も参考に選んでいる。結婚や子育て、介護などを仕事と両立していくのは可能か」と質問した。

食品メーカー「ヤマモリ」の三林憲忠社長は育児休暇や在宅勤務などの社内制度を紹介した上で「食品企業を選んだ人に仲間になってもらいたい。選んでもらえる存在になれるよう努力している」と述べた。

埼玉大基盤教育センターの石阪督規教授は「最近の学生は食関連産業のインターンシップで身近なものを仕事にできるのは面白いと感じる。むしろインターンシップできる環境を作るのが必要になる」と語った。

公開討論会後には、県職員が食関連産業の現状やプラットフォームの設立趣旨を説明。基調講演もあり、志摩観光ホテルの樋口宏江総料理長が「みえの食に対する思いとみえの食の未来」をテーマに講演した。