三重県議会常任委 「夜間中学」必要性検討へ 調査踏まえ設置判断

【次期教育施策大綱の中間案について説明を受ける戦略企画雇用経済常任委=県議会議事堂で】

三重県議会は12日、戦略企画雇用経済、環境生活農林水産、医療保健子ども福祉病院の各常任委員会と、予算決算常任委の各分科会を開いた。県教委は戦略企画雇用経済常任委で、中学校夜間学級(夜間中学)の必要性を検討するための調査に着手する考えを示した。9都府県に33校が設置され、文科省は少なくとも各都道府県に1校ずつ設置するよう求めているが、県内にない。調査結果を踏まえて設置の必要性を判断する。廣田恵子教育長は同日の定例記者会見で「ニーズに応じて学びの場をつくれると良い」と語った。

 〈戦略企画雇用経済=東豊委員長(9人)〉
県は情報発信や広聴の方向性を定めた「広聴広報アクションプラン」の改定案を示した。ソーシャルメディアを通じて県民に情報を広げてもらう「拡散性」の高い情報発信などを新たに明記した。

【広報戦略】
アクションプランは平成27年3月に策定し、改定は29年6月に続いて二度目となる。新たな改定案は令和2年度からの4年間が対象。来年3月に最終案を策定する。

プランは「県ファン」の獲得に向けて、県公式ツイッターなど県が開設するソーシャルメディアのフォロワー(登録者)を、現状の4万3千人から令和五年に5万5千人まで増やす目標に掲げた。

この目標に対し、稲垣昭義委員(新政みえ、5期、四日市市選出)は「毎年2500人ずつ増やせば達成できるが、妥当なのか」と指摘。県当局は「フォロワーは一気に増えるわけではない」と理解を求めた。

【夜間中学】
中川正美委員(自民党、10期、伊勢市)は、この日示された次期「県教育施策大綱」の中間案に関連し、夜間中学の設置に対する県教委の考えを尋ねた。

県教委は「国は各県に一カ所は設けるよう求めているが、県にはない。調査結果を踏まえ、必要かどうかを検討したい。県が設けるか、市が設けるかも含め、想定には至っていない」と説明した。

 〈医療保健子ども福祉病院=中瀬古初美委員長(8人)〉
県は「子どもを虐待から守る条例」(虐待防止条例)の改正に向けた中間案を示した。委員は「改正に向けた議論を何かに残したほうが良い」と提案。県当局は「何らかの形で残すことを検討したい」と述べた。

【虐待防止条例】
県は中間案で、保護者による体罰の禁止や配偶者への家庭内暴力(DV)が疑われる場合の対応を新たに盛り込んだ。委員らは子どもに虐待を認識させるための教育や条例改正する趣旨の記述などを求めた。

津田健児委員(自民党県議団、5期、四日市市)は「他の議員からの指摘や県の説明を聞くと、なるほどと思うところがある。逐条解説などを入れる考えはあるのか」と指摘。県当局は「逐条解説がいいのか、われわれの思いを伝えるハンドブックにするかは検討する」と答弁した。

【一志病院】
県は、県立一志病院(津市)を中心とした地域医療体制について検討する県と市のワーキンググループ(WG)で、各事業にかかる経費の見積もりを今月中に双方で出し合う方針を示した。経費負担の考え方で県と市に隔たりがあるため。

県と市がWGで合意できたのは市が提案した12項目のうち、訪問看護ステーションの院内設置など8項目。このうち、病児・病後児保育施設の開設や緊急電話対応など5項目は経費負担の面で合意できていない。

 〈環境生活農林水産=谷川孝栄委員長(8人)〉
県は、種子の安定供給を目指す主要農作物種子条例(種子条例)の素案を示した。パブリックコメント(意見公募)を経て最終案を策定し、来年の6月定例月会議に条例案を提出する方針。

【種子条例】
種子の生産や安定供給を都道府県に義務付ける主要農作物種子法(種子法)が廃止されたことを受け、鈴木英敬知事が9月定例月会議の一般質問で種子条例の制定を表明していた。

素案は稲や麦類、大豆の種子を安定的に供給するため、県の責務や関係団体などの役割を明記。県の責務には、種子生産の計画策定や奨励品種の決定、原種の生産など、旧種子法と同様の内容を定めた。

また、県独自の記述として、県が市場のニーズや気象条件などに応じた品種の開発に努めると定めた。種子の生産者や関係団体に対し、県が技術的な支援や情報提供に努めることも盛り込んでいる。

【水産業振興】
県は「県水産業及び漁村の振興に関する条例」(仮称)の最終案を示した。来年2月の県議会に条例案を提出する方針。制定されれば、全国の都道府県で4番目となる。

最終案は、水産業の安定的な継続や競争力のある養殖業の確立、災害に強い漁村づくりなどを基本理念に掲げた。県産水産物への理解を深め、水域を保全することなど、県民の努力規定も設けている。