南伊勢町 竈方の伝統、児童ら体験 塩作り、来夏販売目指す 三重

【塩作りのかまどにまきをくべる児童ら=南伊勢町棚橋竈で】

【度会郡】平家の落人伝説が残る三重県南伊勢町内7集落の一つの棚橋竈(がま)で9日、町立南島西小学校の5年生14人が、かつて平家の落人たちが営んでいた塩作りを体験した。

同町の沿岸には、約800年前に平家の子孫が移り住んで切り開いたとされる集落があり、竈(かまど)で塩を作って生計をたてていたことから「竈方(かまがた)」と呼ばれている。

以前は町内に8つの竈方集落があったが一カ所が廃村し、7集落が現存する。近年は高齢化や人口減少などで竈方文化の保存や伝統行事の維持も難しくなってきたことから、7集落が結束し、竈方親交会を結成。町と連携し、集落の活性化に取り組んでいる。

今回は独自の伝統文化で、400年以上前に途絶えた塩作りを復活させ販売につなげようと、「竈方塩づくり振興協議会」を立ち上げ、7月から棚橋竈に「塩づくり施設」を建設。かまども自分らで作って塩の試し炊きを実施し、この日は同施設で初めて小学生を対象とした塩作り体験を開いた。

児童らは炊き上げ直前の塩をすくい上げたり、かまどにまきをくべたりして作業を体験した。炊いたばかりの塩と天日干しをしてにがりの抜けた塩をなめ比べて味の違いも確認。同協議会代表の村田順一さん(69)が塩作りの流れや竈方の歴史について説明した。

5年の小島一紗さん(11)は「体験は楽しかった。塩作りは前にやったけど大釜で作るのは初めてだったので大きくてびっくりした」、村田代表は「竈方の絆を深め、町に負担をかけないように自分たちの力で頑張っていきたい。来年夏頃には塩を販売したいし、塩作り体験も行っていく予定」と話した。