三重県議会常任委 朝鮮学校拡大「不採択に」 幼保育無償化の対象問題で

【朝鮮学校の請願を賛成少数で「不採択とすべき」と決めた環境生活農林水産常任委=三重県議会議事堂で】

三重県議会は10日、戦略企画雇用経済、環境生活農林水産、医療保健子ども福祉病院の各常任委員会と、予算決算常任委の各分科会を開いた。環境生活農林水産常任委は、県内の朝鮮学校が提出した幼児教育・保育無償化の対象拡大を求める請願を、賛成少数で「不採択とすべき」とした。請願は「日本の幼稚園と変わらない幼児教育を行っている」として同校の幼稚部などを無償化の対象に含めるよう求めたが、委員らは「祖国から財政的援助を受けているとみられ、こちらが支援する必要はない」として退けた。

〈環境生活農林水産=谷川孝栄委員長(8人)〉
朝鮮学校の幼稚部などを無償化の対象とするよう求める請願に賛成したのは、新政みえの3人。自民党県議団と自民党、公明党の4人は「不採択とすべき」とした。20日の本会議で採決される。

【無償化】
無償化の対象拡大を求める請願は、四日市市の学校法人「三重朝鮮学園」の四日市朝鮮初中級学校と、その幼稚部保護者会が11月25日付で県議会に提出した。新政みえ、共産党、草の根運動いがの7人が紹介議員となった。

請願は、同校幼稚部などの「各種学校」は無償化の対象外となっているとした上で「母国語中心の幼児教育をしている以外は日本の幼稚園と変わらず、しっかりと保育の実態も備えている」と主張。無償化の拡大を求める意見書を国に提出するよう求めている。

この請願に対し、中森博文委員(自民党県議団、5期、名張市選出)は「祖国が財政的に支援しているとみられ、こちらが支援する必要はない」と指摘。小林正人委員(同、4期、鈴鹿市)は「教育基本法に沿った教育をしていないと判断している」と主張した。

一方、三谷哲央委員(新政みえ、7期、桑名市・桑名郡)は「『各種学校』にはブラジル人学校も含まれる。調査や研究を続けるべき」として請願の継続審査を求めたが、自民党県議団の委員らは「粛々と採決すべき」と主張。多数決で採決の実施が決まった。

〈戦略企画雇用経済=東豊委員長(9人)〉
県当局は、四日市市の県有施設「鈴鹿山麓研究学園都市センター」を年度内に廃止する方針を示した。施設利用者が少ない上、老朽化が進んだため。来年の県議会2月定例月会議に廃止の条例案を提出する。

【都市センター】
都市センターは、鉄筋コンクリート造りの2階建て。県が周辺の工業団地「鈴鹿山麓リサーチパーク」の中核施設として、平成10年に建設した。施設内には県の研究機関をとりまとめる科学技術振興センターが入り、試験研究などを実施してきた。

振興センターが平成19年の組織改正で廃止されて以降、県は会議室を貸し出すなどして活用を図ってきたが、空調施設の故障などで今年4月に休館。センターの稼働率は平均9%にとどまっていた。建物を解体し、四日市市に土地を返還する予定。

【企業振興】
県は中小企業・小規模企業振興条例の改正に向けた中間案を示した。外国人労働者の就労支援や大規模災害に備えたBCP(事業継続計画)の策定の支援などを新たに定める方針。委員からはBCPを策定しようとする中小企業への財政支援を求める声が上がった。

中川正美委員(自民党、10期、伊勢市選出)は支援の内容を尋ねた。県当局は「災害に対応する施設の整備や計画を策定する中小企業を支援する」と答弁。中小企業の融資で利子を負担すると説明した。

〈医療保健子ども福祉病院=中瀬古初美委員長(8人)〉
委員らは「医師確保のスピードが遅いのでは」と指摘。福井敏人医療保健部長は「極めて早い」と反論し、臨床研修制度を始めた初期の頃は60人ほどだった臨床研修医が倍増していると説明した。

【医師確保】
県は、厚生労働省の指標で県内の医師偏在が全国下位の「医師少数都道府県」に当たると説明。修学資金貸与制度や三重大医学部での地域枠の設定など現行の施策を継続し、県内の医師を確保する考えを示した。

杉本熊野委員(新政みえ、4期、津市)は「スピードが遅いのではないか」と質問。福井部長は「東北の各県を視察するとよく分かるが、県内はかなりのスピードで医師不足は解消している」と述べた。

これに対し、杉本委員は「他の地域と比べて良いと思えというのは納得できない」と指摘。福井部長は「医師の養成には10年ほどかかる。今後伸びていく」との見通しを示した。

【食品衛生】
県は食品衛生法の改正を受け、県の食品衛生措置基準条例を改正し、名称を「県食品衛生条例(仮称)」に変更する方針を示した。来年6月の施行を目指す。

県が条例で定めていた事業者が施設を適切に衛生管理する基準を削除する。法改正で全ての食品事業者は国際基準の「HACCP(ハサップ)」に沿った衛生管理が義務化され、全国統一の基準になるたため。