三重県議会 残土搬入の監視指導強化 県人事や組織改編に反映

三重県議会11月定例月会議は5日、川口円(新政みえ、1期、津市選出)、石田成生(自民党県議団、3期、四日市市)、津村衛(新政みえ、4期、尾鷲市・北牟婁郡)、三谷哲央(新政みえ、7期、桑名市・桑名郡)の4議員が一般質問した。鈴木英敬知事は提出中の土砂条例案に関連し、条例に反して県内に建設残土などを搬入しようとする業者を監視する体制を強化する考えを示した。監視や指導に当たる人員の確保や新たなポストの設置について検討した上で、来年度の人事異動や組織改編に反映させる方針。
■災害対策本部の常設提案 ― 川口 円議員(新政みえ)
防災対策本部を常設している他県の事例を示し、県にも災害対策本部の資機材を常設した専用の部屋をつくるよう提案。県当局は「災害時は直ちに災害対策本部を設置できる」とし、常設を検討するかどうかは明言しなかった。

【災害対策本部】
川口議員 熊本県には常設の災害対策本部があり、万が一の事態に緊急対応できる体制を整えている。三重も災害時に職員が登庁できず、少数で対応せざるを得ないことも考えられる。災害対策本部の部屋を常設するよう強く要望する。

日沖防災対策部長 県内に警報などが出た場合は、直ちに災害対策本部を設置して県庁の災害対策室で情報を集約している。震度5強以上の地震などでは災害対策統括部を講堂に設置する。講堂の倉庫には必要な資機材を設け、床下には配線もある。

【海外誘客】
川口議員 観光庁が実施した平成30年の宿泊旅行統計調査によると、外国人の延べ宿泊数は愛知県が8位、静岡県が11位、岐阜県が13位。三重は30位で岐阜県の3割以下。外国人旅行者の積極的な誘客に取り組むべき。

河口観光局長 SNSを活用したキャンペーンや県内の事業者を支援するセミナー、海外に向けたプロモーションなどを実施している。長期滞在につながる体験コンテンツの造成にも取り組んでいる。積極的に情報を発信し、観光消費額の拡大に努める。
■法令尊寿、議会説明は ― 石田 成生議員(自民党県議団)
県議会全員協議会で説明のあった不祥事の再発防止策は知事部局だけだったと指摘し「議会にどう説明するのか」と尋ねた。県教委は「関係部局と調整する」、県警は「真摯に対応したい」と答弁した。

【法令順守】
石田議員 県は8月の全員協議会でコンプライアンスの取り組みを説明したが、知事部局に限られていた。県教委や県警本部は書類による説明だけ。今後、議会に対してコンプライアンスの取り組みを県教委や県警本部はどう説明するつもりか。

廣田教育長 教職員の任命権者は県教委で、法令や国の通知に基づいて取り組んできた。議会に報告する形は関係部局と調整する。

岡県警本部長 議会には常任委で再発防止策などを説明した。指摘は重く受け止め、今度とも真摯に対応したい。

【未登記問題】
石田議員 法務局で管理されている公図と実際の道路を照らし合わせると、登記上は民地になっている県管理道路がある。なぜ道路の中に民有名義の土地があるのか。未登記問題の解消にどう取り組むのか。

渡辺県土整備部長 未登記の原因は権利関係の問題や公図と現況の不整合で、所有権の移転登記ができなかったことが考えられる。平成28年度に処理方針と取り組み計画を策定し、土地家屋調査士協会など専門家の協力を得ながら未登記の処理を進める。
■スマート改革、幹部理解を ― 津村 衛議員(新政みえ)
AI(人工知能)などの最新技術を業務の効率化に生かす「スマート改革」を実行するには県幹部の理解が必要だと指摘。鈴木知事は部局長らに対し、若手職員らによる検討チームの提言を実践するよう指示したと説明した。

【スマート改革】
津村議員 スマート改革を目指す若手・中堅職員でつくる検討チームの中間案は、現状への問題意識と将来に向けて真剣に取り組む思いが伝わってくる。全庁的に実行するには幹部の理解が必要。改革に向けた知事の意気込みは。

知事 検討チームは当事者の目線から自由な発想で具体的な検討をしており、頼もしく思う。私も中間案の提言をいくつか実行に移し、各部局長にも支援や実行を指示した。働き方の質を高めて県民サービスを向上できるよう、しっかり応援して実行したい。

【土砂条例】
津村議員 知事の英断で土砂条例の制定にかじを切ったことに感謝するが、罰則を受けるに値する業者や疑いがある業者に対峙(たいじ)するのは職員で、その精神的、肉体的な負担が計り知れない。監視体制の強化は不可欠だと考える。

知事 条例の効果を最大限に発揮するためには、事前指導や許可の審査、現場での監視と指導を的確に実施できる体制が必要。特に監視と指導が重要。産業廃棄物に対する監視指導のノウハウと機動力を活用し、実効性を確保できる体制の検討を進める。
■ため池ハザードマップ整備は ― 三谷 哲央議員(新政みえ)
決壊すると住宅や公共施設に浸水被害が発生する恐れのある「防災重点ため池」について、ハザードマップの整備状況を尋ねた。県は本年度で1647カ所全てで整備が完了する見通しを示した。令和2年度まで国が確保している予算で全額対応できる見込み。

【ため池】
三谷議員 豪雨災害でため池の決壊による被害が各地で発生している。農水省が「防災重点ため池」の基準を見直し、都道府県が再選定したと聞く。新基準の元での調査の現状やハザードマップの整備状況は。

前田農林水産部長 国が新たに示した選定基準により見直した結果、防災重点ため池は1647カ所と従前の約3倍に増加した。ハザードマップの整備は昨年度までに721カ所で完了した。本年度で概ね完了する見込み。

【三重とこわか国体】
三谷議員 三重とこわか国体・三重とこわか大会(全国障害者スポーツ大会)の関連施設や取り組みの中で、SDGs(持続可能な開発目標)の観点からどのように対応するのか。

辻国体・全国障害者スポーツ大会局長 陸上競技場の大規模改修では、環境やユニバーサルデザインに配慮しながら整備してきた。使用済み携帯電話などから回収した金属の活用で、三重とこわか大会のメダル作成を検討している。できる限り既存施設を活用し、物品調達も再利用可能なものにするよう努める。
<記者席 ― ショック「質問が同じ」>
○…津村議員が最新技術を活用して業務効率化を図る「スマート改革」を巡って当局とやりとりするさなか、議場の記者席にある分配器がダウン。イヤホンを通して発言が聞き取れなくなった。

○…「先生方の貴重な発言を聞き逃さぬように」と使っているのだが、昨年から何度か同じトラブルに遭遇している。しばらくすると復旧するため、ダウンの原因は「不明」(議会事務局)だ。

○…津村議員は「議会も県のスマート改革を参考にしたい」と述べたが、そもそも議会は既存の機器を使いこなせているのか。改革検討チームが提言した通りに「まずはできることから実行を」。

○…三谷議員は奥野議員の質問とかぶったため、質問内容を練り直したという。「性格は相当違うと思うが、質問が同じだったことにかなりショックを受けた」とぽつり。「ショック」と言われた奥野議員の心境やいかに。